連日の暑さでいつも以上に気を付けないといけないのが「食中毒」です。お弁当や飲み物を持って出かける際、何に気を付ければいいのでしょうか?お弁当の“安全な”作り方や、進化系のお弁当箱など、ご紹介します!
■おにぎり素手で握るNG 手洗いしても黄色ブドウ球菌はゼロにできない
上村彩子キャスター:
10日の夕方、千葉県山武市にあるプール施設で、小中学生のグループ(7~13歳)
の男女16人が嘔吐とみられる症状を訴え、14人が病院に搬送されました。
関係者の方によりますと、「自分たちで作って持ち込んだおにぎりを食べた後に嘔吐した」ということで、食中毒の可能性が高いということです。

実際、この時期食中毒が増えています。細菌性食中毒 月別発生件数(去年までの5年平均 農水省HPより)を見てみますと、湿度の関係もあって9月が一番多いですが、8月が2番目に高く、6月から高い水準が続いているんです。
食品微生物センターの方によりますと、「細菌は30~40℃で繁殖しやすい。暑い時期はいつも以上に食中毒に注意」ということでした。
皆さんもそれぞれ注意していると思いますが、実際にどんなことを気をつけたらいいのかをおさらいしていきましょう。
まずは、おにぎりについてです。「素手で握らない」ということが鉄則となります。
人の手などから「黄色ブドウ球菌」というものが食品に付着してしまいます。この「黄色ブドウ球菌」ですが、石鹸で手を洗うと、少なくすることはできます。しかし、石鹸で手を洗っても素手で握ってしまうとあまり意味がありません。

おにぎり1gあたりの黄色ブドウ球菌(出典:エフコープ「CHEER!days」)
【石けんで手洗い+素手で握る】
●直後→200個
●5時間後→3.5万個
●10時間後→110万個
【石けんで手洗い+ラップで握る】
●直後→0個
●5時間後→0個
●10時間後→0個
おにぎりはラップやビニール手袋で握るなど工夫してください。
そしてその「黄色ブドウ球菌」ですが、特徴としては、熱に強いということで、再加熱をしても死滅しないんですね。なので、そもそも発生させない、食品に付着させないということが重要になってきます。

そして夏場はおにぎりに梅干しを入れるというご家庭も多いかもしれません。梅干しは殺菌作用がある、抗菌作用があると聞いたこともありますが、実際、梅干しの食中毒予防効果はどれぐらいなのでしょうか。
東京都福祉保健局の方によりますと、実は梅干しの周辺にしか抗菌性がなく、周りにはあまり及びません。梅干しを散らして入れる、切り刻んで混ぜご飯にする。というようなひと手間を加えることが必要となってきます。