イスラエルのネタニヤフ首相がパレスチナ自治区ガザで「戦争を止める用意はない」などと述べ、恒久的な停戦について否定的な考えを示したとイスラエルメディアが報じました。
イスラエルメディアは3日、ネタニヤフ首相が国会の委員会に出席し、アメリカのバイデン大統領が先月31日に発表した戦闘停止などに向けたイスラエルの提案について説明したと報じました。
ネタニヤフ氏はそのなかで、「戦争を止める用意はない」などと述べたうえで、「アメリカの大統領の発言の一部は正確ではない」と話したということです。
さらに、「明らかにされていないことが他にもある」とし、「人質を取り戻すために42日間戦闘を停止することはできるが、完全な勝利を放棄するつもりはない」とも述べたとしています。
バイデン大統領の明かした提案には、イスラム組織ハマスが繰り返し求める恒久的な停戦の実現が盛り込まれていますが、ネタニヤフ首相はこれについて否定的な考えを示していて、交渉の行方は見通せない状態が続いています。
一方、バイデン大統領は3日、イスラエルとハマスの交渉を仲介しているカタールのタミム首長と電話で会談しました。
ホワイトハウスによりますと、バイデン大統領はタミム首長に対し、イスラエルによる提案をハマスに受け入れさせるため、「あらゆる適切な手段」を講じるよう求めたうえで、「現在、ハマスが完全な停戦とガザの住民の救済をはばむ唯一の障害になっている」と強調しました。
こうしたなか、アメリカのニュースサイト「アクシオス」は3日、関係者の話として、ハマスの代表団が4日にエジプトのカイロを訪問するなどと報じました。イスラエルの提案について、これまで交渉を仲介しているエジプトとカタールの代表団と協議するとしています。
ハマスは提案について、「前向きにとらえている」などとする声明を発表していますが、これまで提案を受け入れるかは明言しておらず、今後、イスラエルの提案内容を精査して判断を下すものとみられます。
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