富山県の新田知事は9日、おととしの知事選の前に旧統一教会の会長と面談していたことを明らかにしました。これを受けて立憲民主党や共産党は10日、教団の組織的な選挙応援があったことは重大な問題だとして県議会の審議を通して事実の徹底的な解明が必要だとの考えを示しています。
新田知事(記者会見):
「8月1日土曜日に徳野英治会長と、8月12日水曜日には平和連合の名古屋支部長の方と当時の後援会事務所、(富山市)太郎丸にありましたが、面談をいたしました。私より立候補した決意表明や政策についてお話しさせていただきましたが、先方からは具体的な要望などはありませんでした」

新田知事は9日の記者会見で、おととしの知事選の2か月前に旧統一教会、世界平和統一家庭連合の当時の会長、徳野英治会長らと面談していたことを明らかにしました。
毛田千代丸キャスター:
「なぜ、いままで前会長と面談されたことを公表しなかったのでしょうか?」
新田知事:
「選挙中というのは本当にバタバタしている中で、選挙が終わってからもご存知のように生活を送っていますから、なかなかいつまでも記憶の中になかったことは事実です。ですから今回後援会として調査をするとお約束して、発表したわけであります」
毛田キャスター:
「徳野前会長と話した内容は覚えていますか?」
新田知事:
「いや、それはもう2年前のことですから覚えていません。さっき言ったように何らかのことを依頼されたとか、陳情を受けたことはありません」
山口広 弁護士 :
「会長自ら候補者の後援会事務所にわざわざ行って組織的な応援を約束する、行ったということは組織的な応援を約束するということですからね。いかに統一教会が組織的に新田知事の組織候補として応援していたか、それによって何かを得ようとしていたことはあきらかです。驚いています」

9日の新田知事の発言を受けて、県内の野党は新田知事が旧統一教会の組織的な選挙応援を受けていたことは重大な問題だとして、県議会の審議を通して事実の徹底的な解明が必要だとの考えを示しました。
立憲民主党富山県連 菅沢裕明 代表:
「統一教会系の団体とかなり大規模な選挙協力受けたと知事自らお話なさったわけで、これは重大な事態だと思う。カルト集団との親密な選挙協力も含めた付き合いについて、もっと根本的な認識、問題点を問いただすべき」
日本共産党 富山県委員会 上田俊彦 委員長:
「旧統一教会の(元)トップと会っていたということだから、ことは重大、そういう意味でようやくここに来て(関係を)断ち切ると言ったけど、旧統一教会が反社会的団体という認識があまりにも弱い。旧統一教会と政治家の癒着は相当大きいのではと思うので、その辺を明らかにしていくこと、今後こういうことが繰り返されないために議会でも徹底的に審議したい」