害虫の専門家からみれば、同時に映り込んだ別の虫のほうが問題!

大野さんは、このガの幼虫よりも、画面右から左に通り抜ける2匹の虫のほうが問題だといいます。

【画像⑨】2匹並んで通り過ぎる虫…専門家はこんなぼやけた画像から種類を特定した

(東洋産業 大野さん)
「マダラマルハヒロズコガよりも、動画の中を動いているアリのような2匹はヤマトシロアリの新婚さんで新居を探している奴らですね。こっちのほうが家には害がありそうです。ちょうど雨も降って湿度もいい感じでシロアリが近くで結婚飛行をしたのでしょうね」

【画像⑩】ヤマトシロアリ

「結婚飛行は、シロアリの巣から新しい女王と王を大量に飛ばし、集団お見合い・結婚式をしているものです。うまくペアになることができたら新しい巣を作るために二匹で新居を探します。この時、いらない翅は落として、歩き回るアリのようになります。

動画で見えるのが、この姿です。ちょうど内見に向かっているみたいですね。メスがオスを引っ張るように進んでいる感じがしますよね。これはメスが前に立ち、フェロモンを出していて、オスはそれを一生懸命追いかけているからです。

これをタンデムといいます。このままうまく気に入った新居にたどり着いて子育てが始められるかどうかの瀬戸際ですね」

ーシロアリという名前ですが、このアリは黒いですね。

(東洋産業 大野さん)
「シロアリはお日様に当たらず、暗いところで一生を過ごすので、働きアリたちは色白で、これはまさにザ・シロアリです」

【画像⑪】ヤマトシロアリ(兵隊アリ)

「ですが、このヤマトシロアリの女王や王は日中に飛ぶので、白い体だと紫外線でやけてしまいます。なので、紫外線でダメージを受けないように黒い体をしています」

【画像⑫】羽のあるヤマトシロアリ

ー見かけたらどうしましょう?

(東洋産業 大野さん)
「この姿のものがいるからといっても巣があるわけではありません。ほとんど巣作りは失敗します。それでも気持ち悪ければかわいそうですが殺してしまうか、最悪巣作りはどちらもがいないと成功しないので、強制的に離婚させてもよいです。

シングルさんは子育てできません。このタンデムがあちこちで見られるなら、リスクが高まるので、家の周りに殺虫剤をまいておくのも予防になります」