一部の病院に患者さんが殺到している状況です。東京医科歯科大学の植木病院長補佐は、お盆を迎える前に、帰省・旅行について、大切な人を守るために家族と話し合ってほしいと言います。また、一方、療養期間が終わった後も長引く「せき」やのどの痛みに悩む声もあります。専門家に話を聞きます。

■ “100件電話してやっと・・・” ひっ迫する医療現場


井上貴博キャスター:
一部の病院に患者さんが殺到している状況です。今回取材にご協力いただいた東京医科歯科大学病院の場合・・・


▼東京医科歯科大学病院(8月9日午後3時時点)
重症病床   4/6
中等症病床  19/24

東京医科歯科大学病院 植木病院長補佐
「最近の傾向として、若い人中心と言われてきたが65歳以上の陽性者が増えている。重症化患者の依頼も増加している」


井上キャスター:
病院の今の状況として、やはりコロナ対応している病院に救急要請が殺到しますので、病院前で救急車10台が列になるようなことや、100件電話してやっと来られたという患者さんもいたということです。こうなると、病院スタッフも大変な状況になります。


東京医科歯科大学病院 植木病院長補佐
「当直スタッフは電話対応鳴り止みませんのでその対応で医療の方になかなか時間をさくことができない」
「救急隊員も朝出発して夜まで帰れない」


東京医科歯科大学病院 植木病院長補佐
家族や大切な人を守るために帰省を考えている人は、家族と本当に問題ないかを腹を割って話し合ってほしい
旅行プランの場所・日程は少しでも感染リスクが低い方を選択してほしい

ホラン千秋キャスター:
私達は新型コロナウイルスと共存しながら様々な活動をするということに慣れてきたので、そうするとやはり感染者数が増えて病院はひっ迫してしまうというこの状況は、根本的にはどうやったら変えていけるんでしょうか?

獨協大学経済学部 森永卓郎教授:
今高齢者の感染が増えてますが、若い人たちが動き回ってそれが高齢者にうつっているっていう状況があるので、一昨年アベノマスクが配られたのと同じように、例えば国民に1人2個ずつ抗原検査キット配って高齢者に会うときや帰省するときにまず検査してね、という風にやるだけでもずいぶん違うと私は思います。

ホラン千秋キャスター:
何か有効な手段を考えていただきたいなと思っている方も多いと思うんですが、鹿野さんの病院は今どのような状況にあるんでしょうか?

ふじみの救急病院 鹿野晃院長:
外来・入院ともに非常に逼迫しておりまして、昨日も気管挿管と人工呼吸器をつけた80歳の方がいました。その他にも気管挿管ではないですが人工呼吸器つけてる方が3人いたり、重症度も上がってきたなっていうのは実感してます。スタッフはとにかく疲弊してまして、お盆休みも返上して休日出勤手当などをつけてなんとか人手を確保して回しているような状況です。コロナがなければ助けられた命がたくさんあるのにと、非常に悔しい思いをしています。

ホラン千秋キャスター:
正義感だけではやっていけないくらい皆さん大変な状況ということですよね。

鹿野院長:
疲弊状態が続いてますね。