■最大派閥“安倍派”の登用は? 内閣改造・自民党役員人事
ホランキャスター:
では二つ目のポイント、「安倍派の処遇はどうなるのか」という点を見ていきます。安倍派の方々は現在閣僚そして党の4役で合計5人起用されている形です。▼松野官房長官、▼萩生田経産大臣、▼岸防衛大臣、▼末松文科大臣、▼福田総務会長です。

松野官房長官は留任、継続して官房長官を続けるということが見えてきています。そしてもう1人、安倍派から岡田直樹さんという方が初入閣ということがわかっています。ただポストはまだわかっていないようです。

そして安倍派以外の内閣改造で留任が決まっているのが、岸田派の林外務大臣、麻生派の鈴木財務大臣、そして公明党の斉藤国交大臣ということです。
そして、党の役員人事も調整が進んでいて、まだ、どの方がポストにつくのかが見えていない部分もありますが、留任が決まっているのが麻生副総裁と茂木幹事長。萩生田経済大臣は政調会長で最終調整が進んでいて、総務会長と選対委員長がどうなるのかわからないというところです。

井上キャスター:
おじさんばかりですね。
獨協大学経済学部 森永卓郎教授:
そうですね。女性を登用する余裕もないんだと思うんですけど、私が一番気にかかってるのは鈴木財務大臣は変わるんじゃないかって最初言われてたのですが、留任がほぼ決まったということ。政調会長から高市さんがいなくなるわけです。そうすると何が起こるかというと経済政策全体としてはものすごく財政緊縮寄りに動くんです。それが来年度予算も含めて、相当厳しい影響を日本経済に与えるだろうなと私は思っています。
井上キャスター:
あとずっと言われているのが、岸田総理がなかなか決められない。調和をとってきた安倍派への配慮をずっと行ってきた。このあたりで安倍派との距離をとってどこまで決められる政治に転換するのか。そのあたりはどう見ていくべきでしょうか
後藤俊広政治部長:
安倍派とは是々非々あるいは協調姿勢ってのは変わらないと思うんですけれども、これまでは安倍元総理と岸田総理が一対一の関係で綱引きしているという、そういった構図があったと思うんですが、今回は岸田総理が人事に「どう“安倍派”を起用するか」がポイントなんです。要するに自分の政権をうまく安倍派に支えてもらおう。そういった形になるのが今理想としてるんじゃないかなと思います。
よく楕円形の政権運営っていうんですけれども、いわゆる岸田総理を支える中核の派閥というのが三つほどあるんですけれども、その三つの派閥と、この安倍派がそれぞれ協調というかうまく調和して政権を保っていく。それを一つの理想としていますから、安倍派の中でどういった人材を起用するかで岸田総理のイメージ、あるいは狙いがわかってくるかと思います。
井上キャスター:
今の後藤さんの話を聞いていてもこの旧統一教会を巡る問題もそうですけど、岸田総理は内閣についてはある程度旧統一教会との調査をしましょうと言ってますが、党にはそれは言えない。党内基盤が少しまだそこまで強気に出られないっていうその裏返しとも言われてますけど、その微妙なバランスってのありますか。
後藤俊広政治部長:
確かにバランス重視になってるなというのは感じます。ですからそういった中で、岸田カラーというのを明確に出していかなければ、なかなか支持率も回復しないと思いますから、そこら辺がこれからの正念場になるところじゃないかなと思います。