朝の通勤時間帯。全国で2番目に混雑する鉄道が九州にある。100年前の大正時代「宮地嶽線」として開業した西鉄貝塚線だ。昭和の大恐慌や戦争で当初の延伸計画がことごとく頓挫し「悲運の鉄道」と呼ぶ人も。そして今、わずか2両編成の小さな鉄道は、再開発のど真ん中を走る注目の路線に変貌している。

黄色い600形が走る11キロ


西鉄貝塚線は、福岡市の東部・東区箱崎の貝塚駅から福岡県新宮町の西鉄新宮駅まで11キロをつなぐ鉄道。全部で10駅ある単線で、2両編成の黄色い600形が始発駅から終点までの約20分を走る。


国土交通省の調査によると、貝塚線の名島駅から貝塚駅までの朝の通勤時間帯の混雑率は154%。東京都の日暮里・舎人ライナー(赤土小学校前~西日暮里)の155%に次ぐ混雑率だ。