気仙沼市魚市場で今年のマダイの水揚げ量は、4月末現在で5トンを超えていて、去年の同じ時期のおよそ30倍にもなります。ただ、地元では、カツオ、サンマ、マグロほどの人気はない魚だけに、漁業者はとまどっています。

気仙沼漁協 臼井靖参事:
「全国的に獲れる時期、漁種、量が不安定な状況になっている。その年によって変わってきているので、状況に応じた対応が必要になってくるのでは」

マダイの水揚げ量が激増していることについて、水産試験場では、海水温が高いためとみています。
気仙沼水産試験場 柴久喜光郎総括研究員:
「30年来の平均と比較すると今年に入ってから3度から7度(海水温が)高い状態です。10℃を切らない水温が続いている。春期に宮城県の沖合を南下する親潮が南下せずに、逆に暖かい黒潮系の暖水が北上して、いま宮城県は年明けから暖かい水に覆われている」

地球温暖化の影響で、今後も海水温の高い傾向が続く状況にあるだけに、新たに増えてきた魚種に柔軟に対応していくことが求められそうです。