今週、新たな総統が就任した台湾。学生らが中国に融和的な当時の政権に反発して起こした「ひまわり学生運動」から今年で10年です。運動は、今の台湾にどのような影響を与えたのでしょうか。
20日、中国と距離を置く民進党の頼清徳氏が新しい総統に就任しました。
台湾 頼清徳 総統
「台湾を民主主義世界のMVPにします」
台北では10年前、今回の3期連続の民進党政権誕生につながる政治運動が起きていました。
2014年に行われた「ひまわり学生運動」です。中国に融和的な当時の国民党政権が中国との経済関係を深めるために結ぼうとした協定に学生たちが反発したもので、23日間にわたり、国会に相当する立法院を占拠しました。
学生運動のリーダーだった林飛帆さん(37)は、運動の意義をこう強調します。
ひまわり学生運動リーダー 林飛帆さん
「この運動は台湾の運命を変えました。台湾人は中国の枠組みに縛られ続けたくなかったのです」
国民党は協定手続きの停止に追い込まれ、その後、失速。2年後の2016年に、中国と距離を置く民進党の蔡英文政権を誕生させる原動力になったのです。
当時、大学院生で運動に参加した陳さん(35)。
当時 大学院生で運動に参加 陳さん
「学生たちはこの協定で、台湾の主権と民主主義が脅かされるのではないかと心配になったのです」
陳さんは、ひまわり運動が「中国との距離感」という台湾が抱える根本的な問題を学生たちに突き付け、若者の価値観にも大きな影響を与えたといいます。
当時 大学院生で運動に参加 陳さん
「台湾には選挙があり、自分たちの一票で総統を選ぶことができます。中国のように任期無制限の主席を選ぶようにはなりたくないと思いました」
運動を通じ、中国とは違う「民主主義」こそが台湾にとって大切なものなのだと気づいたと話しました。
一方、2期8年の蔡英文政権のもとで育った今の若者たちに、ひまわり運動について聞いてみると。
Q.ひまわり学生運動について知っていますか
「知りません。大学生が政府に抗議したんでしたっけ」
「何を勝ち取るための運動だったのか、よく知りません」
今回の総統選で若者が関心を示したのは、就職や住宅の問題といった自分たちの暮らしについてでした。
そんな若者たちに、ひまわり学生運動世代は危機感を抱いています。
ひまわり学生運動リーダー 林飛帆さん
「世代間の見方が異なったとしても、台湾の民主主義が中国による挑戦を受け続けることに変わりはありません」
「中国への危機感」を感じた学生たちの行動が台湾政治を動かしたひまわり学生運動。民主主義を守りたいという彼らの想いは、これからの台湾にも継承されるのでしょうか。
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