果樹などの害虫、カメムシが県内で急増していて、越冬した数は平年の5倍近くに上ります。大分県は大量発生への警戒を呼びかけています。
宇佐市の県農林水産研究指導センターでは14日、20匹ほどのカメムシが捕獲されていました。県内では5月に入って、津久見市の県果樹試験場をはじめ、トラップを設置している5か所でカメムシが急増。さらに、県内6地点のカメムシの平均越冬量が平年の4.6倍に上り、大量発生した2020年を上回っています。

こうした事態を受けて、県は5月8日に病害虫発生予察の注意報を発表しました。
(県農林水産研究指導センター 落葉果樹チーム・野村雄太主任研究員)「やっぱり実に対する食害ですね、変形したりとか実が落ちてしまったりとか、地域一斉に薬剤で防除するのが効果的ですね。タイミングを逃すと集合フェロモンでどんどん集まって手に負えなくなってしまう。被害が出るのはウメとかスモモから、まずはスモモとウメの観察ですかね」
日田市大山町でスモモを生産している松原隆盛さん。毎年防除ネットや消毒を徹底していますが、今年は県の注意報を受けて、地域全体でカメムシの大量発生に警戒するよう呼びかけています。
特に収穫時期が遅いソルダムや太陽といった品種に食害が出やすいため、収穫量に影響が出ないか危機感を募らせています。

(大分大山町農協 李部会・松原隆盛部会長)「今までこんなにカメムシといっても地域で消毒したことはなかったけど、今年は多いということで、どうかな1匹でも2匹でも舞ってきたら消毒をしないと。1匹だけではありませんので、全体的な問題ですのでそういうのは気をつけないといけない」
産卵期を迎える夏場にかけて、大量発生が懸念されるカメムシ。飛来を確認する細やかな観察と素早い対応が被害防止につながります。