HSC=「ハイリー・センシティブ・チャイルド」と呼ばれ、人一倍敏感な特性を持つ子どもたちへの接し方をアドバイスした「子育て本」です。HSCは病気や障害ではなく、持って生まれた気質のことです。
この本の著者で心療内科医の明橋大二さんに子どもたちへの向き合い方を聞きました。
(心療内科医 明橋大二さん)「感覚的にも人の気持ちにも敏感な子どものこと。ちょっとした物音でも聞きつける。地獄耳みたいなところがある。あとは臭いに敏感。鼻が利くとか。あとは肌ざわり。ちくちくしたものが苦手」

富山県の病院に勤務する心療内科医の明橋大二さん(64)です。
HSCの子どもたちとの接し方や親の心がけなどを記し、シリーズ累計で500万部を超えた「子育てハッピーアドバイス」の著者です。

9日は鹿児島市で教育関係者向けに講演会を開き、繊細な子どもたちへの理解を呼びかけました。

(心療内科医 明橋大二さん)「人の気持ちに気付くので優しいところがあったり、人が気付かないことに気付くので鋭いところがある。長所はたくさんあるが、人の言葉や環境によってダメージを受けやすい」
HSCは病気や障害ではなく、生まれつきの気質です。明橋さんはHSCの目安として23項目のチェックリストをあげています。

・驚かされるのが苦手・親の心を読む・たくさんのことを質問する・完璧主義・誰かのつらい思いに気づく・うるさい場所を嫌がるなどで、13項目以上が当てはまればHSCの可能性があると言われています。ただ、一つや二つでもその度合いが極端に強ければ、HSCの可能性があるそうです。

大型連休が終わったばかりのこの時期。環境の変化に弱いとされるHSCの子どもたちは注意が必要です。やる気や集中力が落ちたり、心や体に不調が現れたりする「五月病」の時期とも重なるためです。

(心療内科医 明橋大二さん)「4月は緊張感で何とかやっているけれど、連休で緊張の糸が切れる。そうすると、今までの疲れが出てきて回復しないまま、連休明けを迎てしまう」

「まずはゆっくり休むことが大事」

無理をさせず、体力を回復させることを大切にしてほしいとした上で、登校を渋る場合は、休ませる配慮も必要だと言います。

(心療内科医 明橋大二さん)「学校に行かなきゃならないということは、十分に分かっている。まず、子どもの気持ちを理解することが大事」
また、HSCに配慮することはさまざまな子どもが安心して学校生活を送ることにつながるとアドバイスします。

(心療内科医明 橋大二さん)「先生のどなり声が嫌だというのは、HSCの子だけじゃなくてみんなが嫌なこと」

(心療内科医明 橋大二さん)「みんなが嫌なこと、つらいことを人一倍、敏感な感性で教えてくれるのがHSC。HSCに配慮することによって、実はすべての子どもたちが過ごしやすい学校づくりにつながることになる」
この数年間でHSCに対する理解が進んでいるのを感じているという明橋さん。多様な存在を受け入れる社会になってほしいと願っています。

(心療内科医明 橋大二さん)「一つの特性に配慮する社会は、全ての人にやさしい社会、エレベーターは車いすの人だけでなく、全ての人に必要。年をとれば、階段を登れなくなる。HSCはみんなが心地よく、幸せに生きるヒントを与えてくれる人だと理解が広がるといい」
明橋さんは「HSCと不登校と多様な学びへのハッピーアドバイス」をテーマに、あさって12日午前9時半から鹿児島市の県市町村自治会館で講演を開きます。














