輪島から漆芸を後世に…卒業制作に込めた思い

そして7日。富山大学で卒業制作に励んだ4人の研修生が卒業の日を迎えました。

金沢市のしいのき迎賓館では卒業作品展がはじまり、地震を乗り越えて富山大学で制作に励んだ研修生たちの作品がお披露目されました。

「先生ありがとうございました」

専修科2年 中川綾子さん:「一区切りできたなっていう自分の中でもほっとした感じですかね」

専修科2年 富樫知優さん:「慣れない環境で大変な作業ではあったんですけど、支えてくださった皆様に感謝の気持ちしかないですね」

小野さんの作品です。

生命力が旺盛な「ヒメツルソバ」が描かれていて屈せず漆を続けたいという思いが込められています。

小野さん:「完成度でいうとそこまでは高くないんですけど…まぁやり切れたかなとは思いますね。普通では会えない先生方とか周りの方もいっぱいいたので、すごく大きな経験になりました。漆への向き合い方とかもちょっと変わって、もっと漆を好きになりたいなと思えるような環境だったので、そこがすごくよかったです」

小野さんは作家として独立し漆作品の制作を続けることにしています。

吉田さんの作品。タイトルは「灯(ともしび)」です。

貝殻を使う「螺鈿(らでん)」とよばれる技法を用いて星の輝きを表現しました。

吉田さんは卒業後も輪島に残り輪島漆芸技術研修所の次の研修過程で漆を学ぼうと考えています。

吉田有沙さん:「3年また輪島で勉強しようかなと思っています。震災が起こってそのままで終わってしまっていたら漆をやめちゃおうかなという気持ちになるかもしれなかったというか…。ここまで出来たので次の目標が見えてくるっていうのがあったので、そういう風にしてくださった方々にすごく感謝しています」

新たな一歩を踏み出した卒業生たちの作品が並ぶ輪島漆芸技術研修所の卒業作品展は金沢市のしいのき迎賓館で今月12日まで開かれます。