帝国データバンクの発表情報によりますと、青森県弘前市の(株)サイキが4月26日に事業停止し、自己破産申請の準備に入ったということです。

負債は約9億8000万円としています。

(株)サイキは、1953年10月創業。56年1月に法人改組された紳士服、作業服、婦人服、寝装、呉服、下着などの繊維製品の総合卸売業者です。商圏としては、青森県全域に加え、秋田県、岩手県など、北東北3県を軸に幅広い営業基盤を有する老舗企業で、ピーク時となる2008年2月期においては、約57億8000万円の売上高を計上するなど、地域トップクラスの業容を誇っていたということです。

しかし、その後は大手量販店との競合により、得意先である一般小売店の転廃業が続き、販路縮小が避けられなかったほか、近年はネット販売の拡大など卸売業界の販売構造の変化も加速するなか、受注競合もあって業容は大きく減退を余儀なくされました。2019年2月期においては、売上高は約16億円5400万円まで落ち込み、損益面も多額の欠損となり、その後も業績の低迷は続き、2023年2月期決算において売上高は約3億3300万円に。また、赤字決算が続いたことで、財政面も多額の債務超過状態に陥り、金融機関をはじめ取引先などからの支援も得て経営再建に取り組んできたものの、収益改善はかなわず。

ついに支えきれずに2024年1月には従業員の解雇を余儀なくされ、その後は在庫処分などを行う状態に。多額の負債を抱えて、事業再建は困難であるため、今回の措置となったということです。