典型的な「ポンジスキーム」

もちろんそんな「ウマい話」があるわけありません。円天は最初から出資者から集めたカネで配当金を出すという自転車操業で、いつか必ず破綻するという構図でした。実質的にカネを稼ぐ手段がないのですから当たり前です。カネは組織の内部をぐるぐる回って、出ていくだけ。これこそが「ポンジスキーム」です。

賑々しかった「円天市場」もいつしか開かれなくなり、配当金も、円天の使い道も消えていきました。

配当金はやがて滞り、円天市場も開かれなくなり、この大規模詐欺ビジネスは、多くの被害者を出して終焉となりました。

最初から「自称・歴史に残る詐欺師」

それにしても出たがりの人物でした。わざわざカメラの前でゴルフをし、酒を飲み、逮捕間際まで色々な姿をテレビに見せつけました。逮捕直前には「歴史始まって以来の大詐欺師の顔を写したってや」と言い放ち、カメラを睨みながら警察に捕まったのです。

波和二社長は、波和二容疑者に変わるまでずっとカメラの前でパフォーマンスし続けました。

それもそのはず、実は1978年にもマルチ詐欺で捕まり、そこから先ずっと「出たり入ったり」の詐欺師人生を歩み続けてきました。最後の円天もいわば最初から騙すつもりとしか思えない「大風呂敷」を、広げるだけ広げて、メディアの前から姿を消したのです。

カメラの前の最後のセリフが「歴史始まって以来の大詐欺師の顔を写したってや」でした。