写真家 佐藤健寿さん
「奇界というのは自分の造語で、世界にある奇妙なものとか、奇妙な世界そのものだとか、色んな言葉で説明しています。奇妙というのは絶対的な価値観とかではなくて、むしろすごく相対的。地元においては、ごく当たり前に昔から行われていて、我々から見ると少し奇妙に見えるんだけども、地元では普通で。
つまり、奇妙なものと普通なものの境界線はその人によって異なる。境界線を考えてもらうこと自体がこの自分の展示のテーマなのかなと思います」

会場には、「北朝鮮のピョンヤン」で撮影した大勢の人々や、中国の「マトリョーシカ・ホテル」など、過去20年にわたって120か国以上を巡って撮影したユニークな作品、200点あまりが展示されています。

Pyongyang,DPRK,2018 ©KENJI SATO


その中でも印象的なものとは?

写真家 佐藤健寿さん
「一つ印象深いのは、今回ポスターでも使ってる北朝鮮の「マスゲーム」というものなんですけども、撮影に行くのにも苦労しましたし、撮影するのにも苦労しました。
僕はとにかく一番いい所で撮りたかったんのでVIP席っていうのを買ったんです。そのチケットは10万円ぐらいしたんですが、撮影に行ってみたら、そこが前日、金正恩がいた席みたいな場所で、後ろからすごい観衆から「あいつは何なんだ」っていう感じで見られまして、そんな中で撮影したという思い出があります」

ネツツ/ロシア 2017年 ©KENJI SATO


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