「ここだ!」直感で決めたロケーション

しかし、地元で物件はすぐに見つかりません。先に広島県内でグランピング施設を3か所開業しました。そしておととし12月、この場所が貸しに出たことを知ります。

森脇さん
「関門海峡の絶景をバッと見た瞬間に、うわぁと。ここだ!と直感で思いまして」

高校時代、目にしていた景色でもあり、思い入れのある場所です。契約後、すぐに着工。去年12月に完成しました。海峡を見ながら入れるお風呂、犬と泊まれるドッグラン付きの部屋、そして、プール・・・。広島の施設での改善点を下関に反映させました。

夜のアクティビティーも格別

夜の関門海峡には明るい時間帯とは違った趣があります。

部坂有香記者
「関門橋がライトアップされ、まわりの夜景も浮かび上がってきました。ここに座っていると潮さいも聞こえて、心地よいです」

グランピングの醍醐味の1つ、バーベキュー。眼前に広がる景色と心地よい海風も、時に味わえます。施設が用意する食材は地元のごちそうです。

森脇さん
「長州鶏、山口県産のサーロインですね、魚も唐戸市場から直送の魚介類を仕入れさせていただいて、野菜もすぐ近くで水耕栽培しているところから仕入れています」

地元への還元が創業の「1丁目1番地」。地元の生産者を積極的に利用しています。

夜ならではの楽しみも。テント内の「ドームイルミネーション」は、天候に左右されずに楽しめると好評だそうです。お風呂は照明を消すと窓から夜景をじっくり眺められます。

「地元の魅力伝える」経営者としての覚悟も

時間や季節、天気などによって同じ景色は二度とない、関門海峡。

森脇さん
「力が湧いてくるんですよね。関門海峡沿いにある母校やこの橋を見ていると」

思い出の詰まった場所での開業。今、関門海峡を眺めて新たな思いも芽生えています。

森脇さん
「何回見ても飽きない、格別ですね。ただちょっと、逆に今は施設を開業させていただいているので、ここをいかに知ってもらえるか、楽しんでもらえるかというところでちょっと責任感みたいなものを感じてます」

自分が育った、大好きな土地の魅力をこの施設から伝える-それが今の目標です。

森脇さん
「自然、歴史、食どれもすばらしいんですけど、大切な思い出と、お世話になった人への感謝があるので、育ててもらった分、どう表現して恩を返せるかなと思ってます。下関が大好きです、すばらしいところですっていうのをいろんな人にこの施設を通して知ってもらいたいなと思います」

「現代の志士」の挑戦は始まったばかりです。