帰省のたび寂れる地元に危機感

森脇さんは下関市豊北町の出身。豊浦高校を卒業後、関西大学へ進み、そのまま関西で就職しました。大手銀行員として、法人営業を担当するなかで自分の地元への関心を持ち始めたといいます。

森脇さん
「お客さんのところに行って『下関出身の森脇です』って言ったら、歴史好きな社長に『おまえ長州か』みたいな感じで言われまして、全く知らなかったんで、歴史とか地元のことをですね。これは恥ずかしいなと思って」

当時の大河ドラマが、長州藩や明治維新を題材にしたものでした。ドラマをきっかけに訪問先で地元の話題になった時、話の幅が広がるようにと、地元の歴史を学び始めました。ちょうどそのころ母校の小学校が閉校になるという話題に接します。帰省のたびに寂れていくふるさとを目の当たりにもしていました。

森脇さん
「危機感を覚えて、自分が外に出て良さが分かった人間だからこそできることがあるんじゃないかと思って」

神戸で起業、社名に込めた思いとは?

地方から全国にその土地の魅力を発信したい。それが起業のきっかけでした。2017年12月、当時住んでいた神戸市で創業。クラウドファンディングのプロデュース事業などを始めました。社名・「レストレーション」には地元への思いを込めました。「復元」などと訳される英語ですが、「維新」の英訳としても使われます。

森脇さん
「150年ぐらい前に、この下関の土地で、日本のことを思って行動した人たちがたくさんいたという歴史を学んで、自分も現代版の維新を起こす志士になりたいなと。ちょっと憧れまして」

創業から数年後、グランピング施設の立ち上げを支援したことやコロナ禍がきっかけで、グランピングに注目するようになります。

森脇さん
「やってて気づいたんですけど、このグランピングっていうものはその土地の自然や食の良さを表現する場としてすばらしいなと」

当時、密を避けられる場として需要が高まっていました。

森脇さん
「コロナの状況に合っていたことと、かつ僕の志であるその土地の魅力を表現したいという思いと、うまく合わさったという感じですね」