日本製鉄によるアメリカの鉄鋼大手「USスチール」の買収計画に反対している全米鉄鋼労働組合の委員長がJNNの取材に応じ、「日本製鉄は買収計画を公表する前に組合に説明するべきだった」と強い不快感を示しました。
USW=全米鉄鋼労働組合のマッコール委員長。およそ85万人の組合員を抱える政治力を背景にバイデン大統領にも大きな影響力を持つキーマンが3日、JNNの取材に応じました。
全米鉄鋼労働組合(USW) マッコール委員長
「(USスチール買収計画の公表前に)日本製鉄は接触してこなかった。我々、労働組合と組合員を軽視し、どんな計画で、どんな意図があるのかを説明しなかった。日本製鉄は何度か我々と良好な関係を築きたいと言っているが、買収計画を公表する前に考えるべきことだった」
マッコール委員長は日本製鉄によるUSスチール買収交渉の進め方に強い不快感を表し、「買収取引は完全にやり直されなければならない」と強調しました。
全米鉄鋼労働組合(USW) マッコール委員長
「日本製鉄は買収者として適格ではありません。買収取引は完全にやり直されなければいけません」
日本製鉄の森副社長は先週、USWに書面を提出し、2026年9月までは解雇を行わない方針を伝えましたが、マッコール氏は経営の悪化などを理由に方針変更できる内容だとして「無意味な文書だ」と指摘しました。
この買収計画は来週10日に予定される日米首脳会談で話題になるか注目されていますが…
全米鉄鋼労働組合(USW) マッコール委員長
「バイデン大統領が何を言うかはわかりません。大統領が日本製鉄は労働協約に基づく適格な買収者ではないという我々の懸念を理解し、買収は国家安全保障上の問題にもなることを認識してくれることを願っています」
マッコール委員長は日米首脳会談への直接の言及は避ける一方、日本製鉄が中国で合弁事業を展開していることを挙げ、「バイデン政権の国家安全保障上の懸念になるだろう」と強調しました。
また、USWはバイデン大統領が先月、「USスチールは国内で所有・運営されるアメリカ企業であり続けることが重要だ」との声明を発表した翌週に大統領選でのバイデン氏の支持を正式に決めています。
ただ、マッコール氏はバイデン大統領による声明は支持を決めた要因ではないと話し、「バイデン政権のもとで賃金と福利厚生が改善される中、組合員の意見を聞いて支持を決めた」と説明しました。
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