カブス今永昇太(30)が2日(日本時間)、本拠地開幕戦でメジャーデビューで初勝利をあげた。6回、92球を投げて被安打2、奪三振9、四死球0、失点0、アウトはフライか三振でゴロアウトは1つもない圧巻のデビュー戦となった。5回までノーヒットピッチングの今永は6回には2死から1番・ブラックマンに82マイル(132キロ)のスイーパーをセンター前へ運ばれて初ヒットを許すと連打を浴び、初めて一、二塁のピンチを招く。スタジアムはスタンディングオベーションで今永を応援した。
3番・ジョーンズを93マイル(150キロ)のストレートで空振り三振を奪うとファンはベンチに戻る今永に大きな拍手を送った。チームも今季初の連勝。記録にも記憶にも残るメジャーデビューとなった。
「船出と例えるなら、まだ船からロープを外しただけ」
試合後の会見では気温6度のコンディションで、半袖姿のまま快投は“ベテラン”だからかと問われると「コンディション、天気とかコントロールされないものに対しては、あまり深く感情を入れない」と答えた後、「あとベテランっていう話が・・・僕はまだ自分のこと若いと思っています(笑)」と付け加え、現地メディアを笑わせた。順調なスタートを切ったが「もしこれを船出と例えるなら、まだ港から、まだ船からロープを外しただけ」と自身を客観的に分析し、独特の投球理論を持つことから『投げる哲学者』と呼ばれる今永らしくデビュー戦を表現した。
メジャー挑戦からこれまでの今永語録
昨年末のメジャー挑戦からの今永のコメントを振り返ると、圧巻のデビューへつながるブレない意気込みと“ファン”を想うプロ意識が貫かれていた。
◎2023年11月13日 メジャーリーグ挑戦表明
▼メジャーで叶えたい夢、ファンへの想い
「アメリカのMLBを目指す子供たちが、球場に僕のユニホームを来て足を運んでくれる。それが一番初めの目標。もちろん凄い成績を残して、優勝だったりだとか、いろんな記録も達成したいという気持ちはありますがやはり、まずむこう(アメリカ)に認められなければいけないので、いつかそういう選手になれるようにっていう気持ちはあります」
「(ファンへは)どこにいたとしても、僕という人間は変わらないので、その変わらない自分を信じてくれる人たちに恩返しできるように一生懸命プレーしているところを見てもらいたい」と変わらないファンへの思いを語った。
◎2023年11月28日(火) NPB アワーズ 2023
▼奪三振の極意
22試合登板で両リーグ最多174の最多三振奪取投手賞に輝いた今永が単独インタビューで奪三振の極意を語った。
「(三振は)やっぱり一番リスクが少ないので、三振が取れる分にはこれほどいいアウトはないなとは思っていますね」
「奪三振の極意は、やはりバッターの予想を上回ってもいいし、下回ってもいいよという風にも思っている。あまり相手を上回ろうとは思わないという所がいいかもしれません」
「上回るのは、純粋にボールの方では速さだったりとか、相手バッターと天秤にかけて真っすぐで力込めて押し込めるというような感じに投げていく時。(一方)150キロを投げないようなフォーム、そういう力感で投げるのが多分相手がこれは140キロっぽいフォームだなと思って、150キロがくるという。“相手の予想を下回れるように投げたい”な、とも思っています」














