ロサンゼルスの例

同じ頃、米国ロサンゼルスでも、TATTOOは大人気を博していました。
もともとヒッピー文化という側面が強く、「アウトローが彫る」というイメージは日本に較べると薄かったといいます。映像素材には「指輪やネックレスのようなファッション」として若い女性が入れている様子が写っています。画像のツバメのような鳥が、ワンポイントで約1万円。値段も非常にカジュアルです。

ロサンゼルスでも若い女性がタイニーな(小さな)TATTOOを施すことが多かったようだ

中には日本風のデザイン、いわゆる「和彫り」を選ぶ人もいて、ジャパニーズスタイルはカラフルでエキゾチック、美しいという評判がある一方、その分かなり高価でもあったようです。

この時期のジャパンイメージは1980年に大ヒットしたTVドラマ『SHOGUN』だった

ロンドンの例

90年代に入ると、TATTOOファッションはもっと過激な形でロンドンに花開きます。

TATTOOとピアスのコンビネーションで「悪魔的」な雰囲気を醸し出しました。メイクもこの時期のロックバンド風です。

ここにもJAPANの影響が(1994年ロンドン)

この画像は94年取材のものですが、この時期の英国では、景気悪化と高まる失業率に対して「政府にプロテスト(抗議・反抗)する」という裏テーマがあったのだといいます。
悪魔的テイストには、現在に通じる部分が少しありますね。

基本は「一生消えない」

しかし、刺青であろうがTATTOOであろうが、どんなにカジュアルになったとしても「消えないファッション」であることに変わりはありません。
以前より「消し方」も進歩したとはいうものの、痕は残ります。専門の美容外科医師に言わせると「もとの玉の肌には決して戻りません」ということです。

82年当時の刺青除去手術、手術後はやはりケロイド状になりました

また刺青除去にはかなりの苦痛がともなう上、健康保険もききません。くわえて否定的なイメージは社会において払拭されず、公衆浴場やサウナなどで入場を断られることも多いです。カジュアルに考えすぎて、後で後悔することも多いようです。