集団的自衛権の行使を認める「安保法制」について、「平和に生きる権利を侵害され憲法に違反している」などとして県内の市民団体などが国を相手に訴えを起こしていた裁判。高松高等裁判所から高知地方裁判所に差し戻された裁判の判決が言い渡され、高知地裁は原告の請求を棄却しました。
この裁判では高知県内の住民32人が「国の集団的自衛権の行使を認める形となった安全保障関連法は、憲法9条に反する。平和的生存権などが侵害され、精神的苦痛をこうむった」などとして、国を相手に損害賠償を求める訴えを起こしていました。請求を棄却する第一審判決を受けて原告団は控訴。高松高裁は「一審判決は手続き上の不備がある」として審理を高知地裁に差し戻していました。
29日に開かれた差し戻し審の判決言い渡しで高知地裁は「憲法前文を根拠として個々の国民に対して平和的生存権という具体的な権利や利益が保証されているとは解釈できない」などとして原告の請求を棄却しました。
原告団は判決を受け、「司法の責務を放棄したような判決。控訴する方向で検討する」とコメントしています。














