11人に1人。これは体外受精で生まれた子どもの数です。不妊治療が進む一方で、仕事との両立に悩む女性も多くいます。今、企業に求められていることとは?
「これがお腹に戻した受精卵の写真」
東京都に住む渡辺すみれさん(33・仮名)。メーカーの研究職として働いていた28歳の時に夫と不妊治療を始め、2年前、念願の娘を出産しました。
不妊治療をする渡辺すみれさん(33・仮名)
「すごく嬉しかったのと、信じられなかったのと」
しかし、子どもを授かるまで不妊治療と仕事との両立は、体力的にも精神的にも大変だったと言います。
不妊治療をする渡辺すみれさん(33・仮名)
「薬打ってると気持ち悪くなったり、私の場合、採卵した後本当起き上がれなくなるぐらいだった。仕事もやらないといけないから、すごく我慢してやったりだとか。あとどのぐらいまで(不妊治療を)続ければ子どもと会えるんだろうと」
渡辺さんの不妊治療の期間はおよそ2年。1回の通院が数時間かかることもあり、月に何度も通う必要がありました。突然治療が決まることが多く、スケジュールの調整が難しいといいます。
不妊治療をする渡辺すみれさん(33・仮名)
「明後日来てくださいとか、明日もう1回来てくださいというのが(急に)あって、それは結構大変だった」
さらに、2人目を願い不妊治療を再開してからは、流産を3回繰り返しました。
渡辺さんにとって憧れの仕事だった研究職。しかし、治療を続けていくことを選択し、テレワークのしやすい別の部署に異動しました。
不妊治療をする渡辺すみれさん(33・仮名)
「周りは結局カバーしなければいけなかったりもあった。狭間で葛藤していた」
今、体外受精で生まれた子どもの数はおよそ11人に1人にあたり、多くの人の中で広がっています。
きょう、厚労省が発表した調査の結果では、不妊治療と仕事を両立できずに仕事を辞めた人は6年前の調査より減っているものの、今も10.9%となっています。また、不妊治療を支援する休暇などの制度がある企業は26.5%です。
こうした現状に専門家は。
NPO法人Fine 松本亜樹子 理事
「不妊治療というものがどれだけ通院を要するものなのかとか、そういったことが本当に知られていないがゆえに、あまり理解してもらえていない。(周りに)言ってもいいんだという土壌があるということを双方が理解するということがまず必要」
不妊治療をしていてもキャリアを諦めることのない環境整備が求められています。
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