能登半島地震では多くの奥能登の酒蔵が被害を受けました。輪島市の酒蔵では、明治時代から続く能登の味を絶やすまいと支援の輪が広がり、新酒が26日、初しぼりの日を迎えました。

「すごく良い香りがします。味を見るのが楽しみ」


輪島市の中島酒造の8代目で、蔵元杜氏の中島遼太郎さん。元日、新酒の仕込みを始めていた最中、地震で木造2階建ての酒蔵と母屋が倒壊しました。


中島酒造・中島遼太郎さん(1月取材時)
「マンパワーでどうにか出来るものではないので、どうしようという気持ちしかない」

そんな中、ボランティアがおよそ3トンの酒米を瓦礫の中から見つけ、輪島市から150キロ近く離れた小松市の東酒造が救いの手を差し伸べました。先月12日、中島さんは東酒造の蔵を借り、住み込みでの酒造りを再開させました。


それからおよそ2か月。新酒の初しぼりです。発酵を終えたもろみが、専用の機械を使って酒と酒粕に分けられていきます。完成したのは「能登末廣しぼりたて純米酒」。


中島酒造・中島遼太郎さん
「すっきりとした辛口で香りもすごく良くて美味しい」

東酒造・東祐輔さん
「良かったぁ、こんで一安心や。これを遼太郎くんとまた夜、一緒に飲みたいね」


「輪島でもう一度、酒造りを続けられるのか」悩みを抱えつつも、中島さんは、新たなファンを増やす願いをこの純米酒に込めています。

中島酒造・中島遼太郎さん
「ただ被災したからどうっていう訳じゃなくて、この頑張りをどうにか見せたいっていう。そういうのを見てくれた方に楽しんで飲んでもらえるようなお酒にしたい」

26日に初しぼりが行われた新酒は、来月3日から県内の酒店で600本限定で販売されます。