宮城県加美町の産業廃棄物処理会社が「感染性廃棄物」を長年放置していた問題で、大量の廃棄物が処分されないまま保管されている状況について、県は少なくとも12年前には、把握していたことがわかりました。

この問題は、加美町にある産業廃棄物処理会社「砂押プラリ」が会社の敷地内に臓器などの「感染性廃棄物」を長年放置していたことがJNNの調査報道で明らかになったものです。

県によりますと、砂押プラリに対しては、2007年1月に特別管理産業廃棄物処分業の許可を出しましたが、その後、2012年度にはチューブや注射器などの廃棄物が最終処分されないまま、屋外に大量に保管されている状況を把握したということです。

2016年度にはいったん撤去が完了したものの、2018年から再び保管物が増え始め県が早期の処理を指導していました。その間も、5年に1度、許可を更新してきたことについて県は、加熱処理できる施設を所有していたため許可を出したなどと説明しています。

最終的には去年、許可していない方法で廃棄物を処理した事実が判明したとして、県は砂押プラリへの許可を取り消しました。

村井知事:
「医療用のいろいろな資材が持ち込まれていたので、病院側に負担を求めて、病院側で別の業者に引きとってもらうということをしている。その事業者だけでなく、排出者にも大きな責任が及びますから」

県は砂押プラリや排出事業者である病院などに撤去や処分を求める方針ですが、病院の担当者からは「県は数年おきに許可を更新していた。病院側に責任を押し付けているようだ」という声もあがっています。

また砂押プラリでは屋内の冷蔵庫にも臓器などの感染性廃棄物を大量に保管していましたが、県は屋内の廃棄物については、2012年や2018年時点では適正に処理されていたとの認識を示しています。