日本経済は「3つの4」をすべて達成 次は「中小と非正規の賃上げ」

――春闘では満額回答が相次ぎ、賃上げが進んでいます。マイナス金利も解除となりましたが、今後の経済政策については。

国民・玉木代表:
私は2年前に「3つの4」を達成する日本経済を目指そうと訴えて、それに資する経済政策を訴えて政府に働きかけをしてきました。これは「名目GDP成長率4%」「名目賃金上昇率4%」「日経平均株価4万円」です。2年前は何無茶言ってんだと言われたんですけど、全部達成したんですよ。まず名目GDP成長率は5.7%。賃金上昇率は連合の第1次集計で5.28。最後の日経平均4万円は今日(3月21日収録)も超えているということで。なかなか超えないと言われていたバブル後最高値を超え、さらに過去最高を更新している。だから数字だけ見れば30数年ぶりに良くなってるのは事実ですね。

ただ、これからのポイントは中小企業の賃上げです。あるいは非正規の賃上げ。ここに賃上げの勢いが波及していくかどうか。我が党は給料が上がる経済の実現ということを結党以来掲げてきたので、5.28になったのは評価しているし、非常に良い結果だというのは評価をしつつ、これをどうやって多くの人が働く中小企業に広げていくのかっていうことに政策の重点を移していきたい。ということで「中小企業賃上げ応援10策」といって、中小企業の賃上げに特化した10のパッケージ戦略をまもなく発表しようと思ってます。

その1つは、価格転嫁。日本の場合は産業構造が多重化しているので、下まで利益が落ちていかないので。やっぱり原材料価格や人件費のアップ分をちゃんと大手や発注元が価格交渉に応じて、しかるべき適正な価格転嫁を受け入れるということをしていかないと、賃上げの原資がないですよね。これは公取委とか頑張ってですね、業界ごとの指針を作って、ちゃんとやりなさいと。

あとは中小企業支援。私も私設秘書を雇って、自分で厚生年金とかいろんな保険料、事業主負担払ってるからわかるんですけど…正社員を雇ったり、非正規を正社員化したりすると事業主分の社会保険料負担が高くて、なかなか難しいって声もいっぱい聞きますから。

賃上げだけでなく「天引き最小化」政策が必要

国民・玉木代表:
ここからね、社会保険料や税金をどうやって賃上げに向けて政府がサポートしていけるか。受け取る側から見ると「天引き最小化」政策が必要ですよね。だって賃金が増えても、結局天引きされる税金と社会保険料が高い。それで今度は事実上社会保険料が上がるわけですよ。現役世代に厳しいんですよ。

税金は累進課税になってるので、みんなが給料上がって所得増えたってなると、税のかかる区分がみんなちょっとずつより高いところに移っちゃう。「賃金上がってるんだけど、かかる税率が上がって手取りが全然増えてないじゃないか」っていう人は、これからすごく出てくるんです。

実はこの賃金とか所得が増える比率以上に税収が増えてしまう現象、「ブラケットクリープ」といって、各国対応してるんですけど日本は対応してないんですよ。アメリカもオーストラリアも、インフレとか賃上げに応じて実質的な可処分所得が減らないような調整をしてる。日本でいう基礎控除を少し上げながら、事実上の増税にならないような手当をやってるんですが…日本はやってないので。多分政府の税収は増えると思いますけど、その分、賃金が増えた割には手元に残らない。

だから今大事なことは、手取りの確保。結局、給料が増える中で天引きを最小化するっていう政策がすごく必要で、それができると政府の言ってるいわゆる「好循環」なんですけど。賃金は増えたけど手取りは増えないんで、次の消費が増えるところには繋がっていかないんですよ。そこで循環が早くも切れてる。