先月の消費者物価指数は1年前に比べ2.8%上昇し、伸び率は4か月ぶりに拡大しました。家計を圧迫する円安・物価高が長期化する恐れが高まっています。

魚介類のメニューが人気の都内にあるイタリアンレストラン。円安による食材の高騰に悩まされています。

Trattoria M's 三井光秀オーナー
「生ハム、価格が1.5倍高くなった」

食材の6割が海外からの輸入品。円安などで5割ほど仕入れコストが増加したため、円安が進んだ2年前からピザを200円引き上げるなど値上げを迫られています。

先月の消費者物価指数は1年前に比べ2.8%上昇し、23か月連続で2%を超えました。円安で輸入価格の高騰が続いていることが一因です。

こうした中、円安に歯止めをかけてくれると期待していたのが…

Trattoria M's 三井光秀オーナー
「日本が利上げしてアメリカが利下げになってくれれば、多少の(円高方向への)インパクトはあるのかなとは思っていました」

日銀の利上げでした。日銀は今週、マイナス金利解除を決め、17年ぶりの利上げに踏み切りました。

事前には円高方向に進むとみられていましたが、市場には「当面、これ以上の追加の利上げはない」と受け取られ、逆に円安が進行したのです。

Trattoria M's 三井光秀オーナー
「ここからさらに円安が進むと、さらに食材の値上げなど色々なものに波及していく」

長引く円安が経営を圧迫。従業員への思い切った賃上げの足かせとなっています。

Trattoria M's 三井光秀オーナー
「今年(賃上げは)これからだが、極端に時給も少し上げていかないと良い人材も来てもらえない。賃上げは本当に数%できるかどうかというところ」

「円安」が家計にも中小企業の経営にも重くのしかかっています。