感染力が非常に強く、高熱や発疹をともなう感染症「はしか」について、全国各地での感染者数は19日の正午時点で11人確認されていて、流行が懸念されています。

1999年に県内で「はしか」が流行した際には乳幼児8人が死亡していて、全国で11人の感染でも警戒すべき数字です。

リスクが高い「はしか」の感染を防ぐために私たちができることは何か、専門の医師に聞きました。

小児感染症内科・張慶哲医長
「(沖縄で)いつ発生してもおかしくない状況かなと思っています」

今月に入り、東京や大阪をはじめ、各地で感染が相次いでいる「はしか」。はしかの症状は、主に、発熱や、咳、発疹、目の充血などです。肺炎や脳炎を合併すると、重症化や死亡する例も。

小児感染症内科・張慶哲医長
「”空気感染”といって患者さんがその場にいる、室内を共有するだけでうつるタイプの仕方なんですね。1人が最大で18人うつすと言われている」

他の感染症と比べ、圧倒的に感染力が高いとされるはしか、さらに専門の医師は、新型コロナとの違いを指摘します。

小児感染症内科・張慶哲医長
「新型コロナは、比較的子どもの重症化は少なかったんですが、はしかに関しては明らかに分かっていることだが、後遺症や死亡する例は、子どもの方が圧倒的に多いです」

県内では25年前、2000人以上がはしかに感染し8人が死亡しました。8人全員が0歳から3歳までの乳幼児でした。はしかの予防策として私たちにできることで最も有効なのが、2回のワクチン接種です。

1歳になったら1回、就学前の年長時に1回、ワクチンを打つことが推奨されていて、2回の接種で95%の予防効果があるとしています。

しかし、県内では、昨年度のワクチン接種率は1回目の定期接種が89.1%、2回目の接種が85.7%で、全国最下位となっているのです。

小児感染症内科・張慶哲医長
「(沖縄は)きょうだいが多い家庭が多いので、上のお兄ちゃんや上のお姉ちゃんが接種したんだけど、この子は本当に打ってたかな?と兄弟が多いと忘れてしまいがちのようで」

いま一度、大人も子どもも対象ではないかを確認する必要があります。

実際に、1歳の子の予防接種に来た母親は。

母親
「やっぱり観光地なので、たくさん人も来るでしょうし、これから夏になると余計に広がりが加速するんじゃないかとこわいです。あとは人混みを避けるとかそういったことは気を付けていきたいと思う。少しでも早く収まってほしい」

小児感染症内科・張慶哲医長
「東京や大阪などの大都市だけの問題じゃないこと、沖縄ははしかの予防接種が全国でも低いので入り込まれたら大きな流行になることを認識して頂く」。

感染力の高いはしかから身を守るため、一人ひとりがしっかりと予防することが大切です。

はしか・風疹のMRワクチンは、就学前に2回目の接種が必要です。どこの市町村でも無料で接種できます、対象の子どもがいるご家庭は早めのご確認を。

また子どもを守るためにも大人の感染予防が必要です。
はしかのワクチンは1972年生まれより前の世代では未接種の可能性があり、2000年生まれより前の世代でも1回しか接種していない可能性があります。ご自身の接種状況を今一度確認してみてください。