歴史的発見です。中央に鎮座する国王を大きく描いた特徴的な構図。
沖縄戦で焼失したと考えられていた琉球国王の肖像画「御後絵(おごえ)」が、アメリカで発見され、14日に70数年の時を経て県に返還されました。

木箱から慎重に取り出されたのは、琉球国王の肖像画である「御後絵」です。
国王の姿がひときわ大きく描かれ、その権威を示す御後絵はこれまで、大正時代に撮影された白黒写真でしか、その存在は知られていませんでした。

県は2001年、沖縄戦で国外に流出した琉球王府の重要文書や宝物などの捜索を、アメリカ連邦捜査局・FBIに協力を依頼していました。

そして去年3月にアメリカ国内で発見された肖像画を県が確認したところ、十三代尚敬王や十八代尚育王を描いた御後絵であると判明し、3月14日に県への引き渡しが行われたということです。

返還された4枚のうち2枚は、古写真などにも記録が無く、歴史的な発見です。

琉球大学名誉教授 豊見山和行さん
「これは本当にビッグニュースです。本当にどういう風な色合いだったのかということもわかりますし、飾り物であるとか、家臣のありかた、調度品というふうなものを、より鮮明にすることによって、エリート文化と庶民文化を考える上でもより分厚い歴史があったということが明確になるのではないかと思う」

県では今後、鑑定を進め、公開の機会を検討するということです。

また15日は琉球政府の祭祀を司った最高位の神女、聞得大君に関するおめでたい話題もありました。

「聞得大君」が使用していたとされるかんざし「金銅雲龍文簪(こんどううんりゅうもんかんざし)」が国の重要文化財に指定されることになり、県が発表しました。

「金銅雲龍文簪」は、16世紀から17世紀の作品とされ、現存する神女かんざしのなかで、最も古いとされています。素材は銅製で、表面には金めっきが施されていて、ほかに現存している琉球王府時代のかんざしと比べても、立体的な彫金や模様の豊かさなどが群を抜いているということです。

国の重要文化財に指定されれば、県内ではこれで40件となります。