2月26日、スウェーデンがNATOに加盟することが決まりました。200年以上の“中立”政策から一転した理由とは?実は「軍事強国」の一面を持つスウェーデンの強さとは?今回のNATO加盟はロシアに対してどのような影響を及ぼすのか?手作り解説でお伝えします。

そもそもNATOとは…

そもそもNATOは、冷戦時代、旧ソ連に対抗する、西側の軍事同盟として発足。当初の加盟国はイギリスやフランスなどの12か国です。一方の旧ソ連側も、東ヨーロッパ8か国による「ワルシャワ条約機構」を作ってNATOと対峙してきましたが、ソ連崩壊に伴い解体。東欧・旧ソ連諸国など15の国が雪崩を打ってNATOに加盟し、「東方拡大」が進んでいったのです。

32番目の加盟国となるスウェーデン

そして、今回、32番目の加盟国となるのがスウェーデンです。
水の上に浮いているような景観を持つ首都・ストックホルムや、青い海が広がるゴットランド島の街並みは、ジブリ映画「魔女の宅急便」のモデルにもなりました。そのスウェーデンは、なぜ今回、軍事同盟への道を踏み出したのでしょうか。

200年以上“中立”から転換した理由とは…

1814年のナポレオン戦争以来、「中立」「非同盟」を外交の基軸に据え、他国との交戦を避けてきたスウェーデンですが、転換点となったのはロシアのウクライナ侵攻です。ロシアの脅威に直面し、世論の後押しもあり、おととし、当時のアンデション首相は「NATOに加わることがスウェーデンの安全保障にとって最善だ」と200年以上続いた「中立」政策に終止符を打ち、NATOに加盟申請したのです。