能登半島地震の発生からきょうで2か月になります。大きな被害を受けた被災地の高校生も卒業の日を迎えました。復興への決意を胸に学び舎を巣立ちました。

石川県輪島市の門前高校では、12人が門出を迎えました。多くの生徒が市外に避難し、授業はリモートで行われていましたが、最後の日は全員が集まり、1人1人が答辞を述べました。

卒業生
「みんなの人生はこれからも続いていきます。希望をもって、みんなで助け合いながら、復興に向けて一歩一歩前に進んでいきましょう」

一方、母校から遠く離れた場所で卒業の日を迎えた生徒たちもいます。

卒業生
「みんな無事に一緒に集まれてよかった」

金沢市内の音楽ホールに集まったのは輪島高校の卒業生。校舎の一部が避難所となっていることから、100キロ離れた金沢で卒業式が開かれました。

輪島高校 平野敏 校長
「そんな時代もあったねと、いつか話せる日がくるわ」

卒業生
「今後は大学で震災について学んで、輪島で恩返しがしたい」

生徒たちの晴れやかな表情をカメラに収めるのは蕨野敬さん。輪島高校の卒業生に配る卒業アルバムを制作しました。

蕨野さんは輪島朝市で1948年に創業した「わらびの写真館」の4代目。自宅兼オフィスは大規模火災で消失しましたが、卒業アルバムの写真データはすでに印刷会社に送っていて無事でした。

卒業生
「文化祭の写真です。アルバムないと思っていたので、こうやって思い出に残せてうれしいです」

わらびの写真館 蕨野敬さん
「被災地は撮ろうと思わないですね。僕は知り合いとか笑顔を撮っていければいい。笑顔っていいですよね、元気もらえる気がする」

能登半島地震では石川県内で241人が死亡、未だ7人が安否不明となっています。

また、7万6000棟以上の住宅で被害が確認され、1万人以上が避難所での生活を余儀なくされています。