■PPA Tour MESA(現地24日 / アメリカ・アリゾナ州)

アメリカで人気沸騰中のラケットスポーツ「ピックルボール」。本場のプロリーグ参戦を目指し渡米中の船水雄太(30)が、アリゾナ州メサで行われた試合で公式戦デビューを果たした。

先月25日から単身アメリカへ渡り、ピックルボールのトレーニングを積んでいた船水。今回はプロツアー(PPA)のアマチュア部門・男子ダブルスに出場。現地で師事を仰ぐスコット・ムーアコーチ(62)とペアを組み、スコア5.0というハイレベルなカテゴリに挑んだ。

緊張した面持ちで臨んだ初戦。ソフトテニスで培ったボレーの精度を武器に安定した試合運びを見せた船水。2ゲーム先取でストレート勝ち。デビュー戦で白星をあげた。続く2試合目はフルゲームの接戦となったが、第3ゲームを11対4で落とし、惜しくもベスト16敗退。試合後「ピックルボールならではの一つのミスで流れが変わる怖さを知った。思っていたより本場のレベルは高くてびっくりした部分もある」と悔しさを滲ませた。それでも、渡米1ヶ月での公式戦勝利にスコットコーチは「初めての試合で緊張していたが、内容は非常によかった。どんどん自信がついてプレーが上手くなっている。彼にとって最高の経験になった」と太鼓判を押した。

渡米後、想像を超える練習の厳しさと言葉の壁に苦しみながら"ピックルボール"という新境地に挑戦している船水。「(ピックルボールへの)愛が深まっている。日本人としてここで名を上げたい」と話し、プロリーグ参戦という目標に向けて第一歩を踏み出した。

ピックルボールとは…?

ピックルボールは、テニスと卓球とバドミントンの要素を組み合わせたラケットスポーツ。バドミントンと同じ大きさのコートで、卓球のラケットより少し大きい「パドル」を使い、プラスチック製の穴の開いたボールをテニスのように打ち合う。

アメリカでは競技人口が爆発的に増加しており、現在約900万人。一度でもプレーしたことがある人は昨年だけで4830万人(アメリカ人口の7~8人に1人)というデータも存在し、“チャットGPTかピックルボールか”と言われるほどホットなトレンドになっている。2021年にプロリーグ・MLP(メジャーリーグ・ピックルボール)が発足。プロテニス選手の大坂なおみやNBA・NFLのスター選手らが各チームに出資し、賞金総額約7億円というビッグマッチへと成長を遂げている。

■船水 雄太(ふねみず ゆうた)
1993年10月17日生まれ、青森県出身。5歳からソフトテニスを始め、東北高校3年時にインターハイ団体&個人優勝。2015年には大学4年生で世界選手権代表入りを果たし、国別対抗戦で世界一となった。2020年からはプロソフトテニス選手として活躍している。今年1月、ピックルボールの本場アメリカでプロリーグ参戦を目指すことを表明。1月末に単身渡米し、ピックルボール選手としてのキャリアをスタートさせている。