慶良間諸島の北西にある粟国島。火山活動による特異な景観など沖縄県内においても他の離島とは異なる風景が見られます。その粟国島を旧正月の時期にあわせて3日間を取材。そこで出会った島の歴史や文化の豊かさなど、いにしえの粟国島にタイムスリップするような話題をお届けします。
島に残る「いにしえの記憶」とは
那覇から北西に60キロの洋上に位置する粟国島。周囲およそ12キロの小さな島ですが、この土地で培われた歴史文化は実に豊かです。さてきょうは、どんな出会いが待っているのでしょうか。

比嘉リポーター
「泊港からフェリーで揺られること2時間、やっと粟国島が見えてきました。絶海に浮かぶ孤島という感じなんですけれども、この島で“いにしえの記憶”に触れる旅をしてきたいと思います」
案内してくれるのは、粟国村観光協会の四方正良さん。旅のテーマは、島に残る「いにしえの記憶」です。
粟国村観光協会 四方正良さん
「路面が濡れている時は、僕らも行かないし、観光客の人にも案内はしないです」

1つめの目的地は、急な下り坂の先にありました。島の南西側にあるヤヒジャ海岸。粟国島の太古の姿を垣間見ることができるといいます。
粟国村観光協会 四方正良さん
「沖縄の海岸の砂って、真っ白っていうイメージなんですけど、粟国はこっちの方の海岸だけは黒っぽい」
黒い岩は、溶岩です。
粟国村観光協会 四方正良さん
「火山活動が長く続いて、その堆積でできたものが粟国島。そのまわりにサンゴ礁が発達して、隆起して、今の粟国島になっているので」

火山の島だった粟国島。海岸には、様々な種類の岩や不思議な色の地層があり圧巻のコントラストを生み出しています。火山灰が積み重なってできた白い断崖に、そして赤い地層は、ある現象によって色が変化したそうです。
粟国村観光協会 四方正良さん
「火山灰が堆積した層の上に、1000度近い溶岩が流れることで、火山灰のなかにあった鉄分が焼けて酸化した赤です。わかりやすくいうと、サビの色です」
潮が引いた時間にだけ出会える、太古の記憶です。