シリーズ「現場から、」です。南海トラフ巨大地震の“前触れ”となる可能性のある、地震とは異なる地殻変動を捉える特殊な観測機器が、きょう(18日)、初めて九州地方に設置されました。
太平洋と瀬戸内海を結ぶ海に面した、大分県佐伯市。銀色の長い筒が地中深くに埋められていきます。埋められているのは、「ひずみ計」と呼ばれる地震観測機器。
産業技術総合研究所 板場智史 主任研究員
「次の地震の予測に繋げていくためには、普段の状態を正確に知る必要がある。非常に大きな被害が想定されていますので、我々もなんとかしたいという考えはあります」
甚大な被害が予想される南海トラフ巨大地震。最大震度は7、太平洋沿岸では大津波も想定され、最悪の場合、死者は32万人を超えるとされます。
この巨大地震に備えて、発生する可能性が高まっていることをいち早く予測しようとする取り組みが進められています。その“鍵”となるのが「ひずみ計」です。どんな機器なのか、埋めた実物を事前に見せてもらいました。
産業技術総合研究所 板場智史 主任研究員
「地下の岩盤が伸びたり縮んだりする、『ひずみ』と呼ばれるものを測る機械です」
巨大地震の“前触れ”として、プレートの境界で通常とは異なる「ゆっくりすべり」と呼ばれる地殻変動が発生する可能性があると考えられています。
ひずみ計が地盤の伸び縮みを観測することで、この地殻変動を捉えることができるのです。秘密は、内蔵された超高精度なセンサー。なんと、東京から種子島の距離が1ミリ変わっても、その違いがはっきりわかる精度だといいます。
実際にひずみ計に力を加えてみると、わずかな力を加えただけで敏感に反応します。複数の観測点で得られた地殻変動のデータを合わせることで、「ゆっくりすべり」が地下のどの辺りで起こっているかを知ることができるといいます。
ひずみ計はこれまで、東海・近畿・四国に設置が進められてきましたが、きょう初めて九州にも設置されました。
産業技術総合研究所 板場智史 主任研究員
「四国西部やその海側の豊後水道でもゆっくりすべり(スロースリップ)が起こる。東側の観測点だと西側にどれだけ広がっているのかはわからない。(今回の設置で)より鮮明に見られるようになると期待しています」
「ゆっくりすべり」が観測されるなどした場合、気象庁から「南海トラフ地震臨時情報(調査中)」という情報が発表され、場合によってはその後、巨大地震に備えて事前避難などの対応が呼びかけられることもあります。
情報の運用開始からまもなく5年。専門家は「情報の認知度が上がっておらず、発表されても無視される可能性がある一方で、過剰な反応を引き起こせば、大きな混乱を招く可能性がある」と指摘します。
関西大学 林能成 教授
「恐怖感情がどんどん高まって、取らなくてもいいような対策を人々が取って、社会活動を止めるようなことをしたら、むしろそちらの方が被害が出る」
巨大地震の可能性を伝える情報で、被害を減らすことはできるのでしょうか。
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