国連の子どもの権利委員会は、ロシア側に連れ去られたとされるウクライナの子どもたちについて、家族らへの情報提供と子どもの早期帰国をロシアに勧告しました。
国連・子どもの権利委員会 スケルトン委員長
「ロシアは多くの(ウクライナの)子どもたちにロシア国籍を与えていることを認めているが、それ自体が子どもたちがアイデンティティを失っていることを意味している」
国連の子どもの権利委員会は8日、ロシアが提出した「子どもの権利条約の履行状況に関する報告書」について最終見解を発表しました。
委員会は「ロシア側がウクライナの子どもを強制移送していると指摘される問題」について深い懸念を示し、ロシア側に渡った子どもの数と居場所に関する正確な情報を提供し、子どもを家族のもとや出身地に速やかに戻すよう求めました。
この問題について、ロシア側は「ほとんどの子どもが親か親族と一緒にロシアに到着した」などと、連れ去りには当たらないと反論していました。
委員会はまた、「ロシアの学校でウクライナへの軍事侵攻に関する広範囲かつ組織的なプロパガンダが行われている」と懸念を示し、学校の政治的、軍事的な利用を止めるよう勧告しました。

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