「ひげを剃りたくないなら別の仕事を探せ」。厳しい規律で知られるアメリカ軍に対し、トランプ政権が「身なり」に関するルールの徹底を打ち出し、ひげがトレードマークの副大統領にも波紋を及ぼしています。

アメリカ ヘグセス国防長官
「ひげ、長髪、個性的なファッションはいらない。きょう、私の指示でプロらしくない外見の時代は終わる。ひげ面は禁止だ」

アメリカのヘグセス国防長官が禁止としたのは「ひげ」。

先月30日、海兵隊基地での演説で、軍の幹部を前に「身だしなみ」に関するルールを徹底すると表明しました。そして、「ひげを剃りたくないなら別の仕事を探せ」とたたみかけたのです。

アメリカ軍では、ガスマスクの着用の効果を高めることや、感染症予防の観点から、長年、ひげは禁止されてきました。ところが、この話が飛び火したのが、「ひげ」がトレードマークのバンス副大統領。

記者から、こんな質問が…。

アメリカ バンス副大統領
「(Q.ヘグセス長官が軍で“ひげ面”禁止と発言したが)なんだって?(Q.「ひげ面は禁止する」と)その言葉は聞いていないが、彼は良いスピーチをしたと思う」

かつて海兵隊に所属した経験をもつ、バンス副大統領。「アメリカ軍は歴史的に身なりには厳しいルールを設けてきた」と述べたうえで、こう語りました。

アメリカ バンス副大統領
「私も海兵隊員時代は、ひげが無かった。今は副大統領になったので、好きなようにしている」

こちらがひげのなかった頃、2016年のバンス氏の写真です。

アメリカのメディアによると、バンス氏が初めてひげを蓄えたのは、2022年に上院議員選挙への出馬を表明した時。昔とは大分表情も違って見え、「男らしさ」や「頼もしさ」をアピールする狙いがあるのではないかとも指摘されていました。

アメリカ ヘグセス国防長官
「ペンタゴンの廊下で『太った』将軍らの姿を見るなど許されないこと。髪を切り、ひげを剃る。これが我々の基準だ」

不法移民対策など、これまでとは違った役割も求められているアメリカ軍。

トランプ政権は今後、ひげだけではなく、体型や髪型についてもルールに厳密に従うよう求めていく方針です。