パキスタンで8日、総選挙の投票が始まりました。与党の優勢が伝えられるなか、野党側の有力者が繰り返し刑事訴追されたり、テロが相次いだりしていて混乱も広がっています。

パキスタンの総選挙は8日に投票が始まり、現地メディアによりますと、首相への返り咲きを狙うナワズ・シャリフ氏が率いる与党「パキスタン・イスラム教徒連盟シャリフ派」が優勢とみられています。

ただ、最大野党の設立者で国民的人気の高いイムラン・カーン元首相は、度重なる有罪判決で拘束され、出馬を認められず、与党側が執拗な刑事訴追により圧力を強めているとの批判が高まっています。

選挙の公正性が問われるなか、国境地帯では反政府勢力などによるテロや襲撃事件も多発。当局は治安対策として、全国で携帯電話のサービスを一時的に停止しました。

パキスタンでは中国からの融資によるインフラ開発などで対外債務が膨らむ一方、物価の高騰や失業者の増加が続いていて、新たな政権による経済の立て直しも大きな焦点となります。