IAEA=国際原子力機関のグロッシ事務局長は、ロシアが占拠するウクライナ南部のザポリージャ原発を視察し、不足が懸念されていた原子炉の冷却水を確保するための井戸があることを確認したと明らかにしました。

IAEAのグロッシ事務局長は7日、ウクライナ南部のザポリージャ原発に到着し、ロシアの担当者が同行する中、視察を行いました。グロッシ事務局長による視察は原発がロシアに占拠されて以降、4回目です。

ザポリージャ原発をめぐっては、取水していたウクライナ南部ヘルソン州のカホフカ水力発電所のダムが去年、決壊し、原子炉を冷やす冷却水の不足が懸念されていましたが、グロッシ事務局長は今回の視察で、冷却水を確保するための井戸があることを確認したと明らかにしました。また、「原発の状態は比較的安定している」との見解も示しました。

IAEAによりますと、ザポリージャ原発の現在の作業員の数は4500人と、ロシアによる侵攻前のおよそ1万1500人から半分以下になっていて、視察では作業員の数を保つ必要性についても話し合われたということです。