日本では、防衛装備品の輸出ルールについて議論が続いていますが、韓国では防衛産業が中東で大型受注に成功し、兵器の輸出で存在感を増しています。
こちらは6日、韓国企業がサウジアラビア国防省と行ったある契約の署名式。契約の規模は日本円でおよそ4730億円と巨額です。
一体何かと言うと、韓国が独自に開発した中距離地対空迎撃ミサイル「天弓2」の輸出契約です。「天弓2」は、北朝鮮の弾道ミサイルに対抗する防衛システムの中核を担う兵器とされています。
実は韓国、おととしにはUAE=アラブ首長国連邦ともサウジアラビアとほぼ同じ規模で「天弓2」の輸出契約を締結。
「天弓2」以外でも韓国はおととし、ポーランドに戦車や戦闘機など総額1兆円を超える販売契約を結んでいて、アメリカなどと比べ安く、納品が早いことを売りに、兵器の輸出を拡大させているのです。
韓国政府が防衛産業を国の成長のカギとして重視していることが背景にあり、韓国メディアは大衆音楽の「K-POP」になぞらえ、「K兵器」と呼んでいます。
尹錫悦大統領も去年、こう強調していました。
韓国 尹錫悦大統領(去年10月)
「防衛産業は安全保障と経済を支える国家戦略産業です」
一方、ロシアとの関係強化を印象づけている北朝鮮。
先月開かれた国連安全保障理事会の緊急会合で、アメリカや日本は、北朝鮮から調達した弾道ミサイルでロシアがウクライナを攻撃したと非難。
ウクライナの高官も…。
ウクライナ国防省・ブダノフ情報総局長(英「フィナンシャル・タイムズ」紙とのインタビューで)
「北朝鮮は現在、ロシアにとって最大の兵器供給国となっている」
日本では防衛装備品の輸出ルールについて議論が行われている最中ですが、その傍ら、朝鮮半島では韓国と北朝鮮が競うように兵器の輸出で存在感を示しています。

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