(ブルームバーグ):2026年の企業の合併・買収(M&A)は、市場のボラティリティーや価格が取引の重しとなり、予想より低調となる可能性がある。M&A分野の有力弁護士がこうした見方を示した。
法律事務所ポール・ワイス・リフキンド・ワートン・ギャリソンのM&Aグローバル責任者ロバート・キンドラー氏は25日のブルームバーグテレビジョンのインタビューで、「実際、今年はやや低調になると思う」と述べ、「M&Aは必要とされているが、バリュエーションが非常に高いため実行は難しい」と語った。ボラティリティーが取引の執行を複雑にしているとも指摘した。

こうした慎重な見通しは、昨年のM&Aが過去2番目の高水準となったことを受け、多くの市場関係者が示している強気な見方とは対照的だ。キンドラー氏はモルガン・スタンレーでM&A部門を率いた経歴を持ち、ダウ・ケミカルとデュポンの1300億ドル(約20兆3000億円)規模の合併や、AT&Tによる850億ドルでのタイム・ワーナー買収など、最大級の案件に携わってきた業界の重鎮であり、その発言は重みを持つ。またポール・ワイスは米国有数の企業法務事務所だ。
キンドラー氏は、現在の市場には景気サイクル後期の要素が見られるものの、差し迫った景気後退を示唆するものではないと指摘した。高い価格水準がボラティリティーを引き起こす可能性があり、それが最終的には買い手と売り手の価格差を縮小させ、M&Aを再活性化させる可能性があると述べた。
同氏は「私が懸念しているのは市場の高いバリュエーションで、何かが引き金となって厳しい局面を迎える可能性がある」と述べ、市場が下落しても驚きはないとの認識を示した。
また「現在、各企業の最高経営責任者(CEO)はバランスシートと、いかなる嵐にも耐えられる体制作りに注力している」と述べた。米国では取引の柔軟性が高まるとの期待がある一方、欧州では引き続き厳しい審査が行われるなど、規制環境はまちまちだとも指摘した。
原題:M&A May Be More Muted Than Expected in 2026, Kindler Says(抜粋)
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