米連邦政府の電気自動車(EV)購入補助が昨年9月末に終了した後、EV販売店への来客数は落ち込んだかもしれないが、中古のEVや電動トラックの販売はむしろ加速している。

調査会社コックス・オートモーティブによると、2025年10-12月に取引されたEVは約8万9000台と、前年同期比で13.5%増加した。さらに、中古電動車両の在庫回転日数は約50日と、ガソリン車よりもわずかに短い。一方で、EVの新車販売は同四半期に36%減少した。

自動車ディーラーや購入者に航続距離の予測などのEV関連データを提供しているリカレントの市場インサイト部門ディレクター、リズ・ナジマン氏は、「今年のキーワードが『アフォーダビリティー(手頃さ)』であることには、非常に真っ当な理由がある。2年または3年落ちのEVが新車よりも50%安く購入でき、しかも多くのハイテク装備やバッテリー保証も付いているためだ」と指摘した。

 

米国の中古EV市場は長らく停滞が続いた。販売車両が少なく、購入者が旧型モデルのバッテリー劣化を懸念したためだ。しかし、EVのバッテリーは予想よりも耐久性に優れていることが示され、米国では一般的に少なくとも8年または10万マイルの保証が付く。

中古EV販売の増加は単純な経済原理に基づく。つまり、多くの車両が比較的低価格で市場に出回っているためだ。23年と24年に米国では250万台のEVが販売され、その大半がリース契約だった。これらの車両が初めて中古市場に流入している。また、EVは減価率が大きいため、割安感を求める消費者に受けている。

車両価格の妥当性や値引き余地を分析するカーエッジ・ドットコムのアナリスト、ジャスティン・フィッシャー氏は、「中古EVは、米国のアフォーダビリティー危機に対する一つの答えだ」と述べた。2万ドル弱で非常に良い条件の車両を手に入れることができるという。

例えば、日産「リーフ」は1回の充電で約240キロ走行でき、停電時には住宅に電力を供給することも可能だ。だが、過去3年間で価値のほぼ70%を失い、最近では約1万2000ドル(約184万円)で販売される。一方、比較対象のガソリン車である日産「ヴァーサ」は、同期間に元の価格の70%超を維持し、販売価格は約1万4000ドルだ。

 

EVはラジエーターやスパークプラグ、エンジンオイルを必要としないので、時間の経過とともにガソリン車より信頼性が高まる可能性を示す実証結果もある。ミシガン大学が1月に発表した研究によると、中古EVの総保有コストは、燃料費や維持費が比較的低いため、他のどのタイプの車両より大幅に低いことが分かった。

コックスのディレクター、ステファニー・バルデス・ストリーティ氏は、「価格はほぼ同等で、さらにEV車両の運用コストはより低い」と述べた。3年前に登場したBMW「i7」、キャデラック「リリック」、テスラ「サイバートラック」など、最近リース契約を終えたEVが市場に出回ることで、消費者には新たな購入機会が生まれ、中古EVの販売好調は続く可能性が高いという。

原題:Used EVs Are Still the Fastest-Selling Cars in America(抜粋)

もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp

©2026 Bloomberg L.P.