(ブルームバーグ):ウクライナのゼレンスキー大統領は、ロシアのプーチン大統領を止める意思に欠けている様子の欧州に厳しい言葉を投げ掛けた。ウクライナは極寒の中、水道、暖房、電力インフラに対するロシアのミサイルや無人機(ドローン)の攻撃に耐えている。
世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議)で演説したゼレンスキー氏は欧州の支援国に矛先を向け、ロシアの「シャドーフリート」(影の船団)を止めもせず、ロシアの凍結資産押収にも至らず、米国の関心が他に移った際に本当の世界の大国として行動する意思にも欠いていると批判した。
怒りをあらわにした様子のゼレンスキー氏は聴衆に対し、「欧州は未来を語るのが大好きだが、いま行動を起こすことを避けている。行動する覚悟のある指導者たちはどこにいるのか」と問い掛けた。
ゼレンスキー氏は、トランプ米大統領との会談が土壇場で決まったことを受け、急きょダボスに駆け付け、演説した。トランプ氏はこの会談を「良かった」と述べ、ロシアとの戦争終結への期待をあらためて表明した。ウィトコフ米特使とトランプ氏の娘婿のジャレッド・クシュナー氏は22日遅くにモスクワに到着し、プーチン大統領と会談する。
ゼレンスキー氏は、和平案の文書はほぼ仕上がっていると説明。だが、防空およびロシア領内深くを攻撃するための兵器供給について、西側支援国の対応に強い不満を示した。
「ここ欧州では、米国に『トマホーク』の話を持ち出して雰囲気を壊すなと忠告される。(ドイツ製長距離ミサイル)『タウルス』も話に出すなと言われている」と明らかにした。
トランプ氏が昨年大統領に就任して以来、ウクライナに対する経済支援の大半は実質的に欧州が担ってきた。それでもゼレンスキー氏は、欧州の支援国に向けて率直なメッセージを発した。
米国製を中心とした兵器購入の資金を支援してもらっていることには感謝しているとしつつ、「ロシアのミサイル生産に必要な部品を供給しないようにすれば、もっと安上がりで簡単なのではないだろうか。または、それらを生産する工場を破壊することは考えられないだろうか」と問い掛けた。
ゼレンスキー氏はまた、欧州の対ロシア制裁が米国の措置ほど効果的ではないとも指摘。その理由の一つとして、全加盟国の同意を求めるEUの制度が意思決定のスピードを鈍らせていることを挙げた。
「終わりのない内部の議論や語られない本音の数々が、本当の解決策を見いだすための欧州の率直な議論と団結を阻んでいる」と主張。
「欧州はその敵で味付けされた、小国と中堅国から成るサラダのようなものであってはならない。ウクライナが欧州と共にあるなら、誰も欧州を踏みにじることはない。常に行動するすべはあり、しかも時間内に行動する方法はある」と呼び掛けた。
原題:Zelenskiy Blasts Europe for Inaction in Countering Putin (1)(抜粋)
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