今年2月、台湾周辺の海底ケーブルが貨物船に切断された事件で、中国の公安当局は首謀者は台湾人であると発表しました。中国の関与を打ち消す狙いがあるものとみられます。

この事件は今年2月、台湾本島と台湾が実効支配する西部の離島を結ぶ海底ケーブルが損傷し、台湾の沿岸警備を担当する「海巡署」が現場付近に停泊していた貨物船を拿捕したものです。

貨物船はトーゴ籍でしたが、中国と資本関係があるほか、乗組員8人全員が中国人で、船長の男が懲役3年の実刑判決を受けました。

これについて中国・山東省威海市の公安当局は24日、貨物船は長期間にわたって中国大陸に冷凍食品を密輸しており、密輸の首謀者は台湾人の男性2人であると発表しました。

公安当局は2人を指名手配し、有力な情報には最大25万元=日本円でおよそ550万円の懸賞金を支払うとしています。

海底ケーブルの切断について台湾当局は、武力を用いないで損害を与える「グレーゾーン作戦」の可能性が排除できないとしていて、中国政府の関与を疑う声が上がっていました。

今回の発表は、中国にかけられた疑惑を打ち消す狙いがあるとみられます。