米会員制量販大手コストコホールセールの第1四半期(11月23日までの12週間)決算は、利益が市場予想を上回った。価格に敏感な米消費者が引き続き値頃感を求めていることがうかがえる。

11日の発表資料によると、1株利益は4.50ドルと、ウォール街の予想を22セント上回った。力強い売り上げの伸びが続いていることが背景にある。

絶えず入れ替わるお買い得商品や大容量パック、人気のプライベートブランド(PB)「カークランド」が買い物客を引き寄せている。同社の顧客は比較的高所得で会費を支払って利用しているため、景気変動の影響を受けにくい傾向がある。

コストコ株は通常取引終了後の時間外取引で一時1%弱の値下がり。この日の通常取引終了時点で年初来騰落率は3.5%のマイナス。これとは対照的に、S&P500種株価指数は同じ期間に17%上昇している。

ゲーリー・ミラーチップ最高財務責任者(CFO)はアナリスト向け電話会議で、「消費者は値頃感と品質、そして新しさを求めている」と述べた。

米消費者の多くは今年、インフレや雇用不安にもかかわらず、安定的な支出を続けている。経営陣は電話会議で食品について、牛肉やシーフード、コーヒーなどに値上がりが見られた一方、卵とチーズの価格は低下したと説明した。

第1四半期の既存店売上高の伸びは市場予想を上回り、総売上高はほぼ予想と一致した。

同社はオンライン事業を拡大したほか、レジ処理の高速化や一部顧客向けの営業時間延長など店舗体験の向上を図っている。また、関税の影響を緩和するため、商品の迂回(うかい)輸送や在庫の前倒し確保、品ぞろえの見直しにも取り組んでいる。

原題:Costco’s Profits Beat Estimates as Shoppers Prioritize Deals (2)(抜粋)

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