(ブルームバーグ):米ウーバー・テクノロジーズは、来年末までに10余りの市場でロボタクシーサービスを展開する見通しだ。将来的に少なくとも1兆ドル(約156兆円)規模に達すると見込まれるこの業界で主導的な地位を築くことを目指している。
ウーバーのダラ・コスロシャヒ最高経営責任者(CEO)は12日、ブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、香港や日本が新たな展開候補地に含まれると述べた。ロボタクシーサービスは現在、米国と中東で提供されており、アジアで同様のサービスを開始することについても「多くの協議」が行われていると語った。
自動運転車はコスロシャヒ氏が先月示した六つの重点分野の一つだ。同氏は香港でのインタビューで、自動運転輸送市場は非常に大規模になると予想され、複数のプレーヤーが共存できる余地があると指摘。ただ、成功するためには整備された規制が存在する市場で事業を展開することが不可欠だと話した。
コスロシャヒ氏は「われわれには重要な大都市や市場で自動運転技術へのアクセスを得る強い自信がある」とし、「この技術は確実に進化しており、ロボットドライバーは疲れず、注意力を欠くこともない」と述べた。「本当に重要なのは、規制の枠組みを整備することだ」とも指摘した。
ウーバーはこれまでに、自動運転車開発企業に数億ドル規模の投資を行っており、人間が運転する車と自動運転車の両方をつなぐプラットフォームとしての地位を確立しようとしている。ウーバーは先月、アラブ首長国連邦(UAE)の首都アブダビの一部地域で中国の文遠知行(ウィーライド)の車両を使った無人走行サービスを開始すると発表している。
またウーバーは7月、中国の百度(バイドゥ)との複数年の提携により、米国本土や中国本土以外の複数市場でライドシェアプラットフォームのロボタクシー展開計画を発表。両社は当時、百度の自動運転車が年内にアジアと中東でウーバーのアプリから利用可能になるとしていた。百度のロボタクシーサービス「Apollo Go(アポロ・ゴー)」は、既に世界の十数都市で数百万回の乗車サービスを提供している。
その後ウーバーは、電気自動車(EV)メーカーのルーシッド・グループや、自動走行技術開発スタートアップのニューロとも提携し、ロボタクシーの車両群を展開する計画を進めている。これは、ウーバーがロボタクシー分野の主要な商用アプリとなるというコスロシャヒ氏の構想の一環だ。同氏は成長分野への投資に必要な「潤沢な資本」があるとも述べている。
原題:Uber Boss Sees Robotaxis in More Than 10 Markets Next Year (1)(抜粋)
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