12日の日本市場は株式が大幅に反発。米国株の一部指数が利下げや景気見通しの改善を支えに最高値を更新しており、日本株にも見直し買いが優勢だ。円は対ドル155円台半ばで推移、債券は下落(金利は上昇)している。

株式は大幅に反発して始まり、東証株価指数(TOPIX)は9割超が上がる全面高で取引時間中の最高値を更新した。日経平均株価を含めて1%超の値上がり率で、上昇寄与度では電機や自動車など輸出関連、銀行、情報・通信などが高い。ソフトバンクグループの上げが目立っている。

Photographer: Bloomberg

利下げを決定した米金融当局は来年以降の追加緩和に含みを残し、楽観的な経済見通しも示した。日本銀行は政策金利を来週末に引き上げる公算だが先行きの利上げペースは緩慢と市場関係者はみており、株式といったリスク資産の支えになっている。

三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩チーフマーケットストラテジストは、米国株は連邦公開市場委員会(FOMC)の結果が引き続き好感されてダウ工業株30種平均の上げ幅が大きく、日本株も景気敏感株が買われそうだと予想していた。

円相場は対ドルで155円台半ばで推移。米国でFOMC後のドル安基調が続く中、新規失業保険申請件数が大幅に増えたこともドル売りにつながった。

三菱UFJ信託銀行ニューヨーク支店資金証券室の小野寺孝文ファーストバイスプレジデントは、米労働市場への懸念が強まりドル・円は154円95銭まで下げたとした上で、「その後は米金利が反発し、ドルも買い戻された」と説明。「155円付近ではドル買いもみられ、下値は堅い」と述べた。

野村証券の後藤祐二朗チーフ為替ストラテジストは12日付リポートで、来週は日銀の金融政策決定会合や企業短期経済観測調査(短観)、米雇用統計などの重要指標が予定され、きょうは様子見姿勢が強まりそうだと指摘。ドル・円の上値は限定されやすく、再度155円割れを試しに行く可能性もあるとの見方を示した。

債券相場は下落。超長期債の地合いが良いとは言えないとの声が出ており、前日に上げた反動で売りが先行している。

長期国債先物3月物は一時前日比10銭安の133円49銭、新発10年国債利回りは0.5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)高い1.93%。

東海東京証券の佐野一彦チーフ債券ストラテジストは、前日行われた20年利付国債入札は強い結果だったが、その強さが他の超長期債には波及しておらず、地合いの好転には至っていないと語る。

財務省は夕方、国債市場特別参加者(プライマリーディーラー、PD)会合を開く。佐野氏はPD会合では何もニュースは出ないだろうとみている。

もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp

©2025 Bloomberg L.P.