(ブルームバーグ):中国政府が香港に設置した出先機関、国家安全維持公署は6日、外国の報道機関を異例の会合に呼び出した。死者数としては約80年ぶりの多さとなった香港の高層住宅火災や、7日の立法会(議会)選挙を巡る「虚偽情報や中傷キャンペーン」に警告を行った。
国家安全維持公署は外国メディアによる最近の一部報道が「事実を無視し、虚偽の情報を流布している」とし、「社会の分裂と対立をあおっている」と主張した。
ブルームバーグ・ニュースの記者も出席した会合で、当局者は「警告を受けなかったとは言わせない」という意味に相当する中国語の表現も用いた。具体的な例は示されなかった。
今回の会合は、香港の高層住宅群で発生した火災から1週間余り後に開かれた。火災による死者は少なくとも159人に上り、香港国家安全維持法(国安法)が2020年に施行されて以降、見られなかったレベルの市民の怒りを引き起こした。
立法会選
香港では7日に立法会選挙が実施され、投票率に注目が集まっている。21年の前回選挙では30.2%と過去最低に落ち込んでいた。
国境なき記者団がまとめる25年の報道自由度ランキングでは、香港は180カ国・地域中140位と、19年の73位から順位を大幅に落とした。かつてはアジアでも自由な報道環境を誇っていた香港では、国安法の施行や黎智英(ジミー・ライ)氏の蘋果日報など報道機関への当局の締め付けによって、メディアを取り巻く状況は大きく変わった。
国家安全維持公署は国安法に基づいて設置され、中国本土の当局に直接報告する機関だ。
原題:Hong Kong Summons International News Media for Rare Warning (1)(抜粋)
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