2018年にロシアの元スパイが神経剤「ノビチョク」で狙われた暗殺未遂事件について、イギリスの調査委員会はプーチン大統領が襲撃を承認したとする報告書をまとめました。

この事件は2018年3月、イギリス南部でロシアの元スパイ、セルゲイ・スクリパリ氏と娘が自宅のドアノブに塗られた神経剤「ノビチョク」で昏睡状態に陥ったものです。

イギリス政府が設置した調査委員会は4日、事件の報告書を公表し、ロシア軍の情報機関のメンバー3人が実行したとしたうえで、「事件は最高レベル、つまりプーチン大統領によって承認されたに違いないと結論づけた」としました。

また、近隣ではノビチョクに触れた男女が意識不明となり、2018年7月に女性が死亡する事件が起きています。

この事件について報告書は、スクリパリ氏の暗殺未遂事件と関連しているとしたうえで、プーチン大統領を含む全ての関係者について、女性の死に対する「道義的責任」があると指摘しました。

報告書を受け、スターマー首相は「ロシアが罪のない命を軽視してきたことを改めて強く思い起こさせる」と非難しました。

事件をめぐっては、ロシア政府はこれまで関与を否定しています。