(ブルームバーグ):米メタ・プラットフォームズは、米アップルの最も著名なデザイン幹部を引き抜いた。人工知能(AI)搭載の消費者向けデバイスの開発を強化する姿勢を鮮明にした格好だ。
事情に詳しい関係者によると、メタは2015年からアップルのユーザーインターフェース(UI)デザイン部門を率いてきたアラン・ダイ氏を採用する。アップルはダイ氏の後任に、同社に長年在籍するデザイナーのスティーブン・ルメイ氏を起用するという。
アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)は発表文で「スティーブ・ルメイ氏は1999年以来、主要なインターフェースの設計で重要な役割を果たしてきた」とし、「アップルが重んじるコラボレーションと創造性の文化を体現している」と述べた。
今回の動きはシリコンバレーにおける大きな転換点を示し、メタがハードウエア分野でブランド力のあるメーカーをめざす姿勢を裏付けるものだ。一方、アップルにとっては、先見性で知られるジョニー・アイブ氏が2019年に退社して以降、デザイン部門で続いてきた人材流出が一段と広がることになる。
アイブ氏の退社後、ダイ氏はアップルでより重要な役割を担い、同社の基本ソフト(OS)やアプリ、デバイスの外観や使い勝手の設計を主導してきた。関係者によると、同氏は今週、退社の意向をアップルに伝えたが、経営幹部の間ではすでに離職を見込む動きがあったという。
メタはダイ氏の採用に伴い新たなデザインスタジオを新設し、ハードウエアやソフトウエア、各種インターフェースでのAI統合を含むデザイン全般の指揮を委ねる。
原題:Apple Design Executive Alan Dye Poached by Meta in Major Coup(抜粋)
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