東京海上ホールディングスの株価が20日、一時前日比7%安の5405円まで下落した。一方、SOMPOホールディングス株は同11%高の4954円まで上昇した。前日に発表した決算を受け、株価で明暗が分かれた形だ。

東京海上HD株の下落率とSOMPO株の上昇率はともに7カ月ぶりの大きさとなった。

東京海上HDは19日、今期(2026年3月期)の連結純利益予想を9100億円と期初予想から200億円下方修正した。生命保険子会社での将来の運用利回り向上を目的に簿価1000億円ほどの保有債券入れ替えに伴い、300億円程度の売却損計上を見込むことなどが要因。

みずほ証券の坂巻成彦シニアアナリストは同日付のリポートで、業績下方修正について、一見見劣りすると指摘した。ただ、「足元までの国内外の自然災害状況を踏まえれば自然災害前提は保守的」として、海外事業が好調を維持していることを踏まえれば「業績予想修正の内容を重要視する必要はなかろう」との見方も示した。

一方、SOMPOは純利益予想を5400億円と従来予想から2050億円引き上げた。金融市場の変動により海外保険事業での金融商品の未実現利益が増加していることや国内外の自然災害の減少が寄与する。発行済み株式数の2.64%にあたる770億円を上限とする自社株買いも発表した。

MS&ADインシュアランスグループホールディングスも5900億円と期初予想から110億円引き上げた。MS&AD傘下の生命保険会社でも含み損を抱えた円債を売却し、600億円の損失を計上する見込みだが、政策保有株式の売却益が上振れることなどで吸収する。MS&ADの株価は同2.8%高の3384円と上昇した。

SOMPOについてモルガン・スタンレーMUFG証券の竹村淳郎アナリストらはリポートで、第2四半期業績や今期業績予想、自社株買いの規模など「あらゆる面で期待を超える好決算」と評価した。SMBC日興証券の村木正雄シニアアナリストはリポートで、決算を受けてSOMPOがポジティブ、東京海上HDはやや保守的との見方を示した。

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