トランプ米大統領は14日、牛肉やトマト、コーヒー、バナナの関税を引き下げる大統領令に署名した。物価高止まりを背景に政権に対し、生活必需品の価格抑制を求める有権者からの圧力が高まっていた。

米国内では需要を満たすだけの量を生産できない数百品目について、貿易相手国・地域に課す上乗せ関税の対象から外す。ココナツやナッツ類、アボカド、パイナップルも適用除外リストに含まれる。

米東部時間13日午前0時1分(日本時間同日午後2時1分)にさかのぼって実施する。

トランプ政権下の米経済に有権者が警戒を強める中で、関税政策が価格上昇圧力を高める現状を暗に認め、アフォーダビリティー(手頃な価格)を実現する施策に軸足を移す方針を反映した動きと言える。

4日に投開票が行われたニューヨーク市長選のほか、バージニア、ニュージャージー州の知事選でも生活費高騰対策を掲げた民主党候補がいずれも勝利し、与党共和党候補は全敗を喫した。

トランプ米大統領は14日、牛肉やトマト、コーヒー、バナナの関税を引き下げる大統領令に署名した

カカオ豆や冷凍オレンジジュース、トロピカルフルーツ、各種肥料、香辛料、種子も上乗せ関税の適用除外対象となる。

米通商代表部(USTR)のグリア代表は14日、今回の大統領令について、主要品目や主要セクターに関税免除を設けるというトランプ政権のより広範な戦略と合致するとの認識を示した。

原題:Trump Cuts Food Tariffs on Beef, Coffee as Prices Vex Voters (2)(抜粋)

(首長選挙での共和党全敗など背景を追加して更新します)

もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp

©2025 Bloomberg L.P.